札幌市の快気堂鍼灸院白石で紡がれる物語

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健康のために見てはいけないテレビ番組5つの特徴

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治るのが早い人と遅い人

快気堂鍼灸院白石も開院以来、3年が過ぎようとしています。

毎日のように多くの患者さんと接していると、興味深い傾向がいろいろ見えてくるものです。

その中で、治療家として特に気になる傾向があります。

それは、同じ症状で同じ治療をしていても、回復が早い人とそうでない人がいるということです。

鍼灸師としては、患者さんの一刻も早い回復を目指していますので、この原因がメチャクチャ知りたいわけです。

で、いろいろ考えてみるのですが、回復が早い人はには、日々の生活に幸福を感じる『幸福度』が高い人が多く、回復が遅い人は、幸福度が低い人が多い傾向があります。

ここで、誠に勝手ながら、わかりやすいように「回復が早い人」を『ハッピーさん』と呼ばせていただきます。反対に、回復が遅い人を『ホラーさん』と呼ばせていただきます。

意外なことに、ホラーさんは、ハッピーさんよりも、経済的、家庭的にも恵まれてる人が多かったりします。また、病歴も特筆すべきところがなく、検査で大きな異常がない場合が多いです(コレステロールや脂質、血圧など、多少基準値より高かったりはしますが)。

正直、ハッピーさんの方が医学的な数値が随分悪かったりします。

そして、不思議なことに、年齢を重ねるほど、ホラーさん傾向が強くなっていきます。

幸福な人と不幸な人の違うところ

By: rickremington

人生、ハッピーさんでいることの方が得だと思うのですが、どうしてホラーさんになっていくのでしょうか?

いろいろ調査していく中で、ホラーさんにはハッキリとした共通項があることを発見しました。

それは、ホラーさんは全員、ある番組を見ているということです。反対に、ハッピーさんはその番組を全く見ていません。また、その番組を見る回数が多いほど、回復が遅れ、幸福度が下がるという不思議な相関関係が見られます。

こうなると、ホラーさんになる原因に、その番組が密接に関わっていると考えざるをえません。

その番組とは、ズバリ『健康番組』です。

医学部シンドローム

ホラーさん誕生を考える上で、 医学部シンドロームという病気がヒントになりそうです。

ハーバード大学で学生のカウンセリングをしている心理学者ショーン・エイカーさんが、TEDカンファレンスの発表で、医学部シンドロームについて触れています。

エイカーさんによると、医学部に入学したばかりの1年生には、今までにない大量の医学情報にさらされることで、自分もそれらの病気にかかっているじゃないかと不安になり、挙げ句の果てにノイローゼになる人がいて、そういう症状を医学部シンドロームと言うそうです。

優秀なアメリカの医学部生でさえそうなのですから、凡庸な私たちが、健康番組を見て、大量の医療情報にさらされれば、自分も重い病気かもしれないと考え、不安になるのも仕方ありません。

不安という病

不安が増大すると、体に多くの悪い影響が出てきます。

まず、脳の扁桃葉が活性化し、本能的に体が防御態勢に入ります。そうすると、次のような変化が体に出てきます。

  • 筋肉がガチガチに硬くなる
  • 脈拍が速くなる
  • 血圧が上がる
  • 呼吸が浅くなる
  • 内臓機能が落ちる
  • 末端の血流が下がり手足が冷たくなる
  • 免疫力が落ちる、など。

次に、以前、ブログで書きましたが、DLPFCという、痛みに対する脳の興奮を抑える機能が働かなくなり、普段は感じないような、小さな刺激、温度変化、気圧変化などで、慢性的な強い痛みや痺れを感じるようになってしまいます。

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そして、テキサス大学のウィトソンは博士の研究によると、不安を感じた脳は、倒錯的に意味や因果関係を見出してしまう傾向があるということがわかっています。

Lacking control increases illusory pattern perception. - PubMed - NCBI

ヒトは不安を感じると、全然、兆しもないのに、仲間の裏切りに怯えたり、夫の浮気を疑ったり、陰謀に怯えたり、自分が重大な病気だと思ったりしてしまうのです。その結果、より不安を強くしてしまいます。

このように、不安は、心身ともに不健康な状態を作り出してしまうのです。

不安が生み出す不健康度

不安が生み出す不健康は強烈です。テレビで紹介されるような健康法、サプリ、漢方、食品などを真面目に毎日やって1年間で出る健康効果を+1とすると、病気かもしれないと思う不安がもたらす不健康効果は-10くらいあります。

鍼灸をはじめとする適切な治療で、-10を0に戻しても、毎日のように『健康番組』を見て-10を積み重ねられると、治療期間がどんどん伸びてしまうのです。

不安を増幅させる装置

今回、普段は見ないんですが、改めてテレビで放送される『健康番組』を見てみました。

見てみて私は度肝を抜かれました。

『健康番組』(特に民放のもの)は意図的に不安を喚起するような作りになっていたからです。

この不安を喚起する手法が何かに似ているなと思ったら、オウム真理教の洗脳テクニックにそっくりでした。テレビって行き着くところまでいっちゃってますね。

では、そんな洗脳『健康番組』で人生台無しにされないように、不安を喚起する洗脳テクニックを見分ける5つのポイントをお伝えしたいと思います。

1、恐ろしげな音楽が流れる

音楽は、無意識に対して強く働きかけるので、使い方には十分注意が必要です。

病気の情報は、視聴者に冷静な判断をしてもらうために、余計な修飾は避け、ニュートラルに伝えるのが真摯な態度です。

まるでホラー映画のような音楽が流れ出したら、制作者側に真面目に情報を伝えるつもりがなく、不安を喚起させる意図が丸出しというサインなので、すぐにテレビを消してください。

2、災害番組のような映像が流れる

映像も、感情を捜査する強い力があります。病気を紹介するときに、点滅したり、ショッキングな映像を流したり、どぎついCGで表現されていたら、注意が必要です。もし、映像を見てドキドキしたり、「怖い」と思う要素があったら、ホラーさん化への招待状です。速やかにテレビを消してください。

再現VTRという手法も臨場感が強いので、不安になる要素満載です。ご注意を。

3、症例が一人しか紹介されていない。

何万人かに一人しか起きないようなケースが、あたかも、あなたにも高確率で起こるような演出は、不必要な不安を発生させます。

同じような症状が出ていても、ほとんどの人はそんな怖い病気になる可能性は少ないのです。

確率でいうと、散歩に出かけて帰ってくる間に、交通事故に遭って死亡する割合よりも低かったりします。稀な病気を心配するより、道路で左右確認に気を配ったほうが長生きできます

4、専門医が一人しか出てこない。

情報を制限し、他の選択肢を与えないのは洗脳の常套手段です。発見されにくい病気というのは、専門医でも見解が異なることが多くなります。セカンドオピニオンという言葉が大好きなくせに、一人の意見しか流さないのは公平な態度ではありません。

ちなみに、ひな壇に並んでいる医者の発言は論外です。

トップの専門医でいるためには、毎日大量の専門論文を読み続ける必要があります。医学と言っても範囲が広大です。専門以外の知識に気を配っている時間的余裕はありません。そのため、専門分野以外は素人同然のことも多いのです。

ましてや、毎週のようにテレビに出ていらっしゃる先生たちは、どれだけ優秀でも、自分の専門分野でさえ知識をアップデートする時間的余裕があるのか疑わしいと思います。

5、何度も繰り返す

再現VTRに始まり、CMを挟んで同じ内容を繰り返し、専門医と称される人の解説、スタジオのタレントの怖がるリアクション、体験談など、何度も何度も不安を煽る演出を繰り返します。

これは、冷静に考えさせる間を与えさせないためのテクニックです。

見れば見るほど、不安が大きくなり、自分の頭で考えることができなくなります

なぜ、不安を煽るのか。

では、どうして、テレビは不安を喚起するような放送をするのでしょうか?

それは、不安は強烈な購買意欲を焚きつける人気ブランドだからです。

健康にいいから続けましょう!よりも、「見逃している〜な不調はありませんか?それは、重大な病気の前兆です。そのままだと、病気、入院、失職、家庭崩壊など大変なことになりますよ。そこで『〜健康法』の出番です」なんて言われた方が、ぐっと身を乗り出して見てしまいます。

特に民放は、視聴率を取ることが仕事で、正確な情報を伝えることを目的としていません。視聴率を取ることで、スポンサーの商品を宣伝するのが仕事なのです。

薬を売りたい人、病院に行かせたい人達って、すごくお金を持ってますよね。ゴールデンタイムに番組を流すのには、相当なお金が、、、、。

陰謀論は不安の元になるので、これくらいにして、テレビが不安を垂れ流す理由について、自分の頭で考えてみてください。洗脳から抜け出す唯一の方法は、自分の頭で考えることです。

健康番組との付き合い方。

こう考えると、健康番組は実際は『不健康番組』ではないかと思えてきます。

ただ、これらの番組はあくまで、エンターテイメントでありバラエティーなのです。もし、どうしても見るのなら、ホラー映画だと思って楽しみましょう

少しでも不安になるくらいなら、見ないことをお勧めします。

例えば、あなたの友人が、「体もだるいし、夜も眠れない」と、体の不調を相談してきたとします。

何か、変わったことがあった?と聞くと、友人は、「そんなに好きではないけど」と言いながら、最近、毎日ホラー映画を借りてきて見ているといいます。

「怖いんだけど、なんだか見ちゃうんだよねー。でも、夜寝る時、ジェイソンやフレディーや貞子が本当に出てきそうで、なんかすごい不安になるんだ。このまま、私死ぬのかな?病院行ったほうがいいかな?」と言ったとします。

さて、あなたは、なんと言いますか?

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