ドアのノックはゆっくりと

札幌市の鍼灸院 快気堂鍼灸院白石で紡がれる物語

*

足首の捻挫と鍼治療(テーピング vs 整動鍼)

      2016/09/08

捻挫の施術はどこで?

足首捻挫001

足首を捻挫したとき、みなさんはどこに相談しますか?

一般的には、病院(整形外科)や整骨院が頭に思い浮かぶことと思います。鍼灸は捻挫の施術のイメージが薄いかもしれません。

鍼灸の教科書でも、捻挫したばかりの急性期は、積極的な施術をすすめず、症状が落ち着いてから、痛むところに鍼をしたり、電気を流したり、炎症が起こっている部分を囲むようにお灸をするように書かれています。

しかし、私が取り組む、全く新しい鍼の治療法である整動鍼は、足首の捻挫に対する治療を得意としています。その方法は、他の施術法と比べて、理屈が正反対ですが、「即効性があり、回復が早い」という整動鍼ならではの効果が出ます。

足首内反捻挫の治療例

先日、当院へ定期的に通って頂いている患者さんから、「娘が足首を捻挫したので診てもらえないか?」という相談を受けました。もちろん二つ返事で来院して頂きました。

来院されたのは高校生のMさん。3日前に部活中に足首をひねって捻挫したとのこと。いわゆる足首の内反捻挫です。捻挫した次の日に、整骨院へ行き、治療をしてもらったが、痛みが治まらないと言います。

「ここの先生はすごいんだから!!絶対大丈夫だから!!」と不安げなMさんを励ましているお母様の期待に、若干のプレッシャーを感じながら、施術に入ります。

一般的な捻挫への施術

Mさんの足首を診てみると、ガチガチにテーピングで固定されています。 整骨院でどのような施術を受けたか聞くと、痛む部分に電気を流し、ジェルを塗って、テーピングしたとのこと。

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もちろん、この施術は、常識的に考えれば99%正しい施術です。

一般的に、内反捻挫は、足首の靱帯(主に前距腓靭帯)が損傷し、炎症が起こるのが痛みの原因と考えられています。そのため、施術の基本はRICE(安静、冷やす、圧迫固定、心臓より高い位置へおく )に基づいて行われます。

しかし、戦国時代から受け継がれてきた活法整体の理論を元にする整動鍼では、捻挫した衝撃で発生した動きの歪みが痛みを発生させていると考えます。従って、正常な動きに戻してあげるのが施術の目標になります。

vs テーピング

私がまず取りかかったのは、テーピングを外すことでした。

痛みの発生原因が動きの歪みならば、テーピングで固定してしまうと、正常な動きを取り戻す邪魔になり、回復が遅れるからです。

柔道整復師の資格のない、純粋鍼灸師である私は、テーピングなんてしたこともないので、外すのに苦戦して10分くらいかかってしまいました。Mさんもちょっと不安げです。

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『運動時のけが=テーピング』という一般常識に反している上に、術者がもたついてるので当然です。

はさみを使って、なんとかテーピングを除去しました。

足首を確認してみると、ちょうど前距腓靭帯のある部分に腫れと熱間を感じました。足首を内反してもらうと、痛みが出て、可動域の制限がありました。

ここで、お待ちかねの鍼治療に入ります。整動鍼のお約束に従い、患部に施術はしません。患部から一度離れ、視野を全身に拡大し、動きを制限している真の原因を探ります。

整動鍼による捻挫治療

今回は、前回の『整動鍼・基礎臨床実践編』で初公開された膝周りのツボと、『整動鍼・脊柱編』で習得した炎症に効果がある手のツボの二カ所に鍼をしました。

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待つこと5分。

足首を確認すると、腫れが引き、熱感が減っていました。

鍼を抜き、足首を内反してもらうと、「痛くない」とのこと。可動域の制限もなくなりました。歩いてみてもらっても痛みが出ないので、施術を終了。

下手すると、テーピングをはずす時間の方が長くなってしまいました。

治療が終わり、待っていたお母様が期待を込めたまなざしで、「どうだった?」と聞くと、Mさんは「痛くない、、。なんで?」と答え、それを聞いたお母様が「でしょー!でしょー!!お母さんの言ったとおりでしょー!!!」と喜んでくれました。

私は、それを聞いて、乗り越えたハードルの思いのほかの高さを知り、ちょっとドキドキしました。

一週間後、お母様に経過を聞くと、まだ無理をすると違和感があものの、痛みはほとんど無く、治療の翌日には部活に復帰し、今のところ問題は無いとのこと。

あまりの回復の早さに、本人も大変驚いていたそうです。

どこまで施術可能か?

日本整形外科学会では、捻挫の程度を三段階に分けています。

  • 1度捻挫:靱帯が伸びる程度の損傷。痛みはあるが歩いたり軽く走ったり出来る。一週間ほどで回復。
  • 2度捻挫:靱帯の一部切れるもの。強い腫れと熱感。歩くと激痛が伴う。回復まで1ヶ月ほどかかる。
  • 3度捻挫:靱帯が切れてしまっている。患部が大きく腫れる、歩くのが困難な激痛。手術が必要。回復まで3ヶ月を要する。

今回の私の治療例は、重い1度から軽い2度の間の捻挫ではないかと思います。この辺だと整動鍼で余裕だと思います。

さすがに3度の捻挫は手術した方が良いでしょうが、2度のかなり重いものまでは、整動鍼で効果が出せるはずです。

自信を持って施術に当たれるのは、幸運にも、次のような症例を目の当たりにすることが出来たからです。

秘技公開

捻挫透視

この施術法が初公開された7月の『整動鍼:基礎臨床実践編』でのことです。

セミナーの2日目に、受講者の一人である富田さんが、痛みに顔をしかめながら、やっとという感じで会場に来ました。聞くと、前日のセミナーの帰りに、駅で思いっきり足をくじいて転倒し、歩けなくなったそうです。

セミナーの欠席も考えましたが、この日に捻挫の治療があると知って、根性で参加したとのこと。

富田さんは、活法研究会、整動鍼セミナーでは、ムードメーカーで、いつも楽しい雰囲気でみんなを盛り上げてくれる方なのですが、さすがにこのときは、オーラが全くない状態になっていました。

状況としては、激痛で足に体重をかけられず、歩くのも困難で、足首もほとんど動かせない状態。夜も痛みで眠れなかったとのこと。腫れも熱感もあります。

富田さん、そして他の受講生の、奇跡を見たいという期待と、「さすがにこれは〜」という悲観的な視線が集まる中、整動鍼の提唱者である栗原先生の施術が行われました。

施術後、富田さんは足首を伸ばせるようになりました。その後、時間の経過とともに、状態が良くなり、セミナーが終わる頃には、かなり歩けるようになっていました。

さらに、片足で立つことも出来るように也、セミナー中には、富田さんが痛みを忘れて、無意識に足首を伸ばして座ってたりして、他の受講生に指摘され、本人も周囲も驚くという珍事もありました。

セミナー終了後、さらに驚愕の報告がなされました。

常識から離れて

ネット上の活法セミナー交流会のページに、富田さんの動画が投稿されました。

治療2日後(受傷3日後)に撮られた動画で、富田さんが小走りで走っているのです。動画では、途中で急なUターンもしていて、足首を捻挫していたことが信じられません。

さらに、富田さんの詳細なレポートが衝撃的でした。治療の翌日に、足首に内出血のあとが出現したのです。写真も投稿されており、内くるぶしの下と、外くるぶしの下に、紫色の内出血のあとが帯状に広がっていました。

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このことから、次のような事が予想されます。

『富田さんの捻挫は、靱帯あるいは筋肉に、広範囲な内出血を伴うかなりの損傷があった(重い2度の捻挫に相当すると思われる)。しかし、その損傷は、実は痛みとは直接関係ない。動きを整えることが出来れば、靱帯などに損傷があっても、痛みを抑え、動かすことが出来るようになる。』

今までの常識を覆す大胆な仮説になりますが、常識とは異なる理屈だからこそ、常識外れの結果が出せるとも言えます。

そして、この理屈に沿った再現性のある結果が出ているということは、今までの常識が間違いで、ここに捻挫の痛みに対する新たな発見が潜んでいる可能性が高いと私は考えます。

セミナーにいつ行ってもいらっしゃる、研究熱心な富田さんの身体を張った詳細なレポート、非常に参考になりました。整動鍼のみならず、活法でも結果を出されている先生ですので、京都方面で良い鍼灸師を探している方、自信を持ってオススメします。

同じセミナーを受けた、はりきゅうマッサージ シーベルズ大磯の渡邊航也先生もレポートされています。

新たな可能性への高揚感

動きの歪みと痛みの関係という新たな視点で人体の秘密に迫る整動鍼。施術しながら、新たな人体の可能性の発見を予感させることも多く、人体の仕組みに強い興味を持つ私にとっては、格別の代物です。

足首の捻挫でお悩みの方。早い回復が必要でしたら、鍼灸院(整動鍼)という選択も御一考ください。

※治療の詳細は下の画像をクリックするとでご覧いただけます。

その他002右足首の内反捻挫

【栗原先生と富田さんのご好意で、動画と写真を追加させて頂きました。2016年8月29日】

【治療二日後の動画を追加しました。2016/08/30】

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