ドアのノックはゆっくりと

札幌市の鍼灸院 快気堂鍼灸院白石で紡がれる物語

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神様の選択と温泉サバイバル(活法合宿レポート2016⑧)

      2016/11/11

パパとママ、神様はどちらを選ぶのか?

活法合宿1日目の講習が終わり、夕飯までの間の小一時間、私たち家族はホテルの大浴場へ行くことにしました。

前回のおはなし>>治療技術が生まれる瞬間(活法合宿レポート2016⑦) | ドアのノックはゆっくりと

平安時代から続く、温泉街としての歴史をもつ伊東市。数多の旅人の疲れを癒して来たであろうお湯に期待が膨らみます。

大浴場の入り口の前で、息子くんに恒例の質問をします。

「パパとママ、どっちと入りたい?」

う〜んと悩む息子くん。いつも悩むそぶりは見せるのですが、これまでは100%ママを選択してきました。

ところが、「パパと入る!」と生まれて初めて、入浴パートナーとしてパパを指名しました。

ママを選ぶものとばかり思っていた私とマナコさんは、驚きました。

長旅が、息子の中の何かを変化させたのでしょうか?

「本当にパパでいいの?」と私が聞くと、 「どちらにしようかな、かみさまのいうとおり!」と指でパパとママを交互に差し、御神託を伺うふりこそしましたが、出来レース感満載の調整の後、私を指差しました。

入浴パートナーとして男性に指名されるなんて、いつ以来か忘れてしまいましたが、幾つになっても嬉しいものですね。

息子くん用の着替えをママから受け取り、2人で大浴場の「男のれん」をくぐりました。ちょっと誇らしげな顔の息子くんを見て、胸がキュンとなりました。

時間帯が早かったためか、浴室には誰もおらず、2人の貸切状態でした。体をさっと流した後、広い浴槽に入ります。

息子くんは、浅いところで四つん這いになり、ワニさん歩きに興じていました。

黒い球

その時、ガラガラと浴室のドアが開く音がしました。誰か入ってきたなーと、何気なくそちらに目をやると、開いたドアから、直径が1メートル以上はある巨大な黒い球が入って来ました。

活法,黒い球

「GANTZに出て来た、あれか!?」私は息子くんを抱き寄せ、身構えました。


黒い球は少しずつ浴室に入って来ます。半分くらい入って来たところで、球を挟むように一対の肌色の物体が現れ、入り口の左右のサッシにそれぞれ絡みつきました。そこで、その肌色の物体が人間の手だとわかりました。入り口の左右のサッシを掴んでいたのです。

よく見ると、黒い球体は、人間の頭でした。あまりにも巨大なので、人間の頭だと認識できなかったのです。巨大な手に、力が込めらると、頭に続く巨大な体がズルリと入り口から吐き出されました。

裸の全身が露わになった巨大な人間は、私に気づくと、照れ臭そうに頭を掻きながら、口を開きました。

「お騒がせしてすいません、これくらいの大きさの入り口だと、体を横にして頭から押し込まないと入れんのですわー。いやー窮屈でかなわん。」

巨人の正体は、秋田県横手市の小松田紘史さん(平城鍼灸整骨院:院長)でした。

続いて、「おー、通れるようになったぞ!!」という聞きなれた声とともに、妖しげな空気をまとった5人の男たちが浴室に入ってきました。

5人のチーム

藤沢組

「ひ!!藤沢組だ。」私は、思わず悲鳴にも似た声を上げてしまいました。

藤沢組とは、神奈川県藤沢市近辺に在住する活研メンバーで構成された、一大勢力を誇るグループです。

月に一度、勉強会を開催し、技術と知識を研鑽するだけでなく、絆を深め、お互いの約束のためなら命さえも賭す覚悟を持つ、硬派なグループとして知られています。

もちろん、彼らも普段は温厚な優しい治療家なのですが、組の掟に反した行動には血の粛清が待っているともっぱらの噂があり、接する側にもある種の緊張が強いられます。

目が合わないようにしながらも、どのメンバーがいるか藤沢組をチラチラ観察する私。

まず、目に入って来たのは、藤沢組のプリンス、大島伸二大島治療院:横須賀市根岸町)。

甘いマスクのイケメンで、フットサルとスノボをこよなく愛する趣味人。研究熱心で、活法研究会・整動鍼の技術を検証するために藤沢組を創設した。掟に厳しく、速射砲のような口撃に血祭りにあげられたものは数えきれないが、藤沢ファミリーへの愛情は誰よりも強く、リーダー的存在。(スタンド名:メタリカ)

隣で、頭を洗っているのが、渡邉航也シーベルズ大磯:神奈川県中郡大磯町)。

活法研究会では最古参で、技の豊富さと完成度はトップクラス。スポーツ万能でマラソンが得意。人体構造への造詣も深い。人格者で、誰に対しても優しく接する姿から、藤沢組のハマヒルガオと呼ばれ慕われている。(スタンド名:ホワイトアルバム)

その隣で腕組みをし座っているのが、ブラックエンペラー・青山和正治療室そら:神奈川県藤沢市湘南台)。

盗んだバイクで行く先もわからないまま走りだす青春期を過ごし、その頃に構築したネットワークが全国に広がる。現在は温厚なパパだが、曲がったことを改めない人間に対しては、過去の顔を覗かせ、恐怖に陥れる。(スタンド名:ザ・グレイトフル・デッド)

青山の背中を流しているのが、藤沢組のリンゴ・スターこと国定壮児赤塚新町整骨院)。

永遠の後輩体質で、藤沢組の面々を兄貴と慕う。ミッション遂行時に、逐一上からの指示を仰ぐため、自信なさげに映るが、得意の毒ガス攻撃の破壊力は死に直結する危険な存在である。(スタンド名:ビーチ・ボーイ)

少し離れたところで、お湯の泉質を分析しているのが寺田勝典高針整形外科クリニック・名古屋市名東区)。

藤沢組ではないが、今回のミッションのため、共闘関係を築いている。整形外科にリハビリ要員として勤めているにもかかわらず、整形外科で良くならない症例を活法で改善させてしまうため、地元の人からゴッドハンドと崇められている。ひらめきが飛び抜けていて、活法の技の新境地を開拓している。(スタンド名:ベイビィ・フェイス)

「プリンス直々にご出馬とは、大きなヤマでもあるんだろうか。裏切り者の始末とかかしら。」などと考えながら、なるべく関わり合いにならないように距離をとって、私は息子と湯船に浸かっていました。

愛すべき大災害

「ちょっと、おじゃましますよ〜」 藤沢組の登場で硬くなっていた空気を一気に緩ませる、ノンビリとした声が響きました。声の主は小松田さんでした。山のような巨体を、恥ずかしそうにすぼめて、湯船に入って来ました。

息子くんが、ジーッと小松田さんを見ています。出発前に散々見た新生物Komatsuda君と、偶然にも同じ名前を持つ北の巨人を見比べているのかもしれません。

「おお、かわいい坊ちゃんだ。そっちに行っちゃおうかなあ?」と、小松田さんは、こちらに向かって平泳ぎをし始めました。途端に、津波のようなうねりが発生しました。

巨大な船が海上を通る時、大きな波が発生します。それと同じように、一般的なホテルの大浴場にとって想定外であろう、巨大な質量をもつ物体が泳げば、危険なレベルのうねりが発生します。

ゴウゴウと鳴り響く音とともに、信じられない量の水が押し寄せて来ます。 「パパ助けてー」うねりに巻き込まれ、息子君が水の底に沈み込んでしまわないよう、私は必死で手を掴みました。「この手を離すなー!ぐわー!!」

私たちの横を無人のバイクがものすごい速さで流されていき、水の底へと沈んでいきました。

「おーっとと、ごめんよ〜」小松田さんはそう言うと、左手に私たち親子を乗せ、安全な位置に降ろしてくれました。

「怖かったかい?もう大丈夫だよ」と、この上なく優しい笑顔で語りかける小松田さんでしたが、息子は怖がって私の後ろに隠れ、「もう上がりたい、こわいよー」と泣き始めてしまいました。

優しさ溢れる小松田さんですが、独身男性特有の、子供に対する不器用さが招いてしまった大津波。なんとも小松田さんらしい愛すべきエピソードですが、3歳児にそれを理解しろと言うのも無理なことです。

私は、止む無く、泣き出した息子くんを連れて大浴場を後にしました。

浴室から出る時、藤沢組の方へチラリと目をやると、妖しげな笑顔の5人が見えました。

「やつら、何かやる気だな。」

何か、ものすごい事が起こりそうな予感に後ろ髪引かれながら、私は息子くんと部屋へ戻りました。

大浴場では、歴史上初となる大偉業が成し遂げられようとしていました。

つづく

つづき>>Think Different.(活法合宿2016レポート⑨) | ドアのノックはゆっくりと

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