ドアのノックはゆっくりと

札幌市の鍼灸院 快気堂鍼灸院白石で紡がれる物語

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鍼灸師のあぶない冒険〜①祝4周年・冒険の後〜

      2017/05/12

祝4周年

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5月7日、快気堂鍼灸院白石は4周年を迎えました。

一般的な業種では、起業しても3年目までに70パーセントが廃業すると言われています。

鍼灸院に限ってみると、開業後3年で30~40%、5年目までには95%が廃業するという笑えない話を伝え聞きます。

あと一年でどうなるかわかりませんが、なんとか4年生き抜くことが出来ました。月並みですが、患者さん、支えてくれた方々、そして家族に感謝です。

一言で表すならば

4年目を一言で言い表すならば「変態」になると思います。

変態と言っても、「先生、まさか!?白衣の下は何もつけてないんじゃぁないでしょうね?」「グヘヘヘへ」「キャーッ!変態!!」の方では無くて、「メタモルフォーゼ」の方です。

出会い

ちなみに3年目を一言で言い表すならば「出会い」でした。

ポータルサイト「エキテン」の方針変更により、激減した患者さんと売上(半分になりました)。廃業の危機を迎え、何とか抜け出そうともがいた日々。治療技術のレベルアップに活路を求め、理想の治療を探し求める冒険へ。

紆余曲折ありながら、「整動鍼」という理想的な技術に出会うことができました。

結果、患者さんの来院数も回復(悪いときの3倍)しました。

この廃業の危機を脱した3年目の模様を「鍼灸をめぐる冒険」としてブログに記したのが一年前です。

冒険、その後。

これでめでたしめでたし、となれば良かったのですが、4年目もリスキーな(あぶない)冒険は続きました。

ただし、冒険の舞台は、世界の大海原では無く、自分の内面へと移ります。

新たな冒険のきっかけは、整動鍼の導入によって「ある問題」が発生したためです。この解決のために「自分探し」という、この歳にしてはちょっと気恥ずかしい作業が必要になりました。IMG 1298

性格の不一致

ある問題とは、性格の不一致です。

整動鍼導入前、私はオーソドックスなスタイルの鍼灸治療をしていました。

経絡治療という伝統的な鍼の施術法で体の根本的な力を補い、急性の腰痛や膝痛に対しては、西洋的な解剖学に基づいた局所治療、あるいはトリガーポイントで対処していました。

症状としては、自律神経の不調による各種症状、妊活、美容鍼灸の相談が来院患者さんの大半を占め、私もそれに対する治療を得意としていました。

これらの症状に共通するのは、長期間のリピートを前提としていることです。

そのため、院の経営方針は、患者さんに長期間リピーターとして通ってもらえるように工夫をする事が中心でした。

一方、整動鍼は最短で「早い改善と再発しない体作り」をするためにデザインされた鍼の治療法です。

つまり、二度とリピートさせない事を追求する技術です。

整動鍼で追い求めるモノが、今までやってきた治療院の方向性と一致しないという性格の不一致問題が出てきたのです。

藤原道長気取り

ただ、整動鍼のようにハッキリとした治療結果が出せれば、リピーターやファンを獲得しやすく、マーケティング的には最高ではあるのですが、、、。

事実、4年目の前半は、一人治療院としては限界に近い来院数と、それに伴った売上がありました。

「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の、、、」と、ちょっとした瞬間に藤原道長の句を口ずさんでしまうくらい、意味不明なアゲアゲ状態を経験しました。

しかし、自分の整動鍼の技術が上がるにつれて、メンテナンスで来られる患者さんに全く悪いところが見つからないという状況が増えて来ました。悪いところが無いのに、患者さんにわざわざ時間とお金を浪費して通っていただく事に、私は強い違和感を抱くようになってきました。

運命の分かれ道

ここでどうするか。

運命の分かれ道です。

収益の大半を占めるリピート依存のスタイルを優先するのか、リピートをさせないための治療を中心に経営スタイルも変えるのか、あるいは、違和感に目をつぶり現状維持に止まるのか。

答えを出すためには、鍼灸師としての自分を深く掘り下げ、自分自身を理解する必要がありました。

結論として、自律神経系の治療、妊活治療、美容鍼灸、そしてリピートに依存するマーケティング手法を捨て去り、整動鍼のみで、リピートに依存しない治療院経営を追求することにしました。

それが、自分が考える鍼灸、そして医療の理想に近いと考えたからです。

またしても半分

リピートに依存しないというのは、一般的な治療院マーケティングの真逆を行くものです。

当然のことながら、来院患者さんの数、売上共に激減し、半分になりました(またしても、、、)。

リピートに依存せず、治ってもらうことを追求する治療院のスタイル。医療としては当然のような感じがしますが、そういったノウハウを語る人も、うまくいっている治療院もほとんど見当たらない事が、このスタイルの難しさを物語っています。

それでも、私はこの方向性にチャレンジしたいと思いました。

一つは、それが私なりの「患者さんのため」の追求だから。

そして、もう一つは、このやり方で成功している数少ない鍼灸師が身近にいる幸運を得たから。

その数少ない鍼灸師であり、整動鍼の提案者である養気院栗原誠先生に助言を仰ぎながら、試行錯誤を繰り返しました。

変態の彼方に

この一年で、治療院のスタイルはすっかり変わりました。オタマジャクシがカエルになるように、青虫が蝶になるように、変化の前と後では関連性が見いだせないほどの変わり様だと思います。なので、改善や変革ではなく「変態」です。

結果、苦しい時期は続きましたが、最後の最後に壁を打ち破り、5年目への希望を繋ぐのに十分な成果が得られました。

今回から5回ほどに分けて、私がどのように試行錯誤を繰り返し、治療院はどんなメタモルフォーゼを遂げ、低迷期を克服したのか、詳しくお伝えしていきたいと思います。

一般向けの内容では無いかも知れませんが、同じ問題を抱える方達のちょっとしたヒントにでもなれば嬉しいなと考えています。

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つづき
鍼灸師のあぶない冒険〜②泥水をすすれ〜 | ドアのノックはゆっくりと

 

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