ドアのノックはゆっくりと

札幌市の鍼灸院 快気堂鍼灸院白石で紡がれる物語

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42歳の誕生日には「逆襲のシャア」

   

誕生日の朝に

7月6日、私は42回目の誕生日を迎えました。

誕生日の朝、目覚めて初めにしたことは、1988年公開の映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の鑑賞でした。

若い頃は、42歳といえば、文化人好みのゴダールやピーター・グリーナウェイとかの作品を愛好するんだろうなぁと思っていましたが、実際は相も変わらず「ガンダム」です、、、、。

コメディアンでアカデミー賞監督のウディ・アレンは78歳の誕生日にこう言いました。

「78歳になって一番驚いたのは、子供のままで何にも変わってないことだ。いつになったら大人になれるんだろう?」

78歳のアレンでさえそうなのだから、42歳の私が大人の実感なんてあるはずがないと考えていました。

しかし、「逆襲のシャア」を見ていて、「自分も大人になったなあ」と感じたことがありました。

それは、「シャアの気持ちがわかった」ということです。

赤い彗星のシャア

「逆襲のシャア」は、一作目である「機動戦士ガンダム」から数えて4作目のガンダムシリーズ作品となります。

一作目で、主人公アムロの好敵手として登場したシャア。

ハンサムな上に、超仕事ができ(20歳なのに大佐!!)、不敵な態度をとっているのに上司や部下に好かれるカリスマ性を有し、出自は高貴なのに隠しているという、恐ろしくカッコいいキャラクターでした。

主人公のアムロより人気がありました。特に女性人気は群を抜いていました。

カリスマヒーローがテロリストに?

それが4作目の「逆襲のシャア」では、テロリストに落ちぶれているのです。

人類の革新の光になると期待された男が、なぜテロリストに?

当時13歳だった私はさっぱりわかりませんでした。

その後、成人しても、アラフォーになっても私はシャアの行動の意味を理解することができず、長年悩んできました。

それが、42歳になった誕生日の朝、わかったのです。

この人、プライドがすごく高いのに、自信がないんだ。」と。

シャアが生きる時代の諸事情

シャアがいる時代は、人類が宇宙に生活圏を拡大した「宇宙世紀」という未来です。

宇宙世紀も、今と変わらず問題が山積みです。腐敗した政治、硬直した官僚機構、貧困と差別、なくならない戦争、、、。

この閉塞感を打破し、「人間が宇宙に住む」という新しい時代にふさわしい社会を作り出すことが強く望まれていました。

その期待を一身に背負わされそうになっていたのがシャアです。

ただ、どんなに優秀であっても、こんな責任を背負わされるのは酷だと思います。

ガンダムシリーズ第2作目にあたる「機動戦士Zガンダム」では、偽名まで使って、その責任から逃れようとするシャア。挙げ句の果てに、煮え切らない態度で責任逃れする姿に切れた若者に殴られるシャア。

Zガンダムのラストでは全てを投げ捨て、行方不明になるシャア。

一作目では考えられないヘタレぶりです。

自分に自信が持てない赤い彗星

「逆襲のシャア」では34歳になったシャアが帰ってきます。そのまま逃げていれば良かったのに、高いプライドがそれを許さなかったのでしょう、人類革新への活動を再開します。

その方法は、「地球に隕石を落として、人を住めないようにする。そうすれば、宇宙に残った人類が進化するだろう」という、かなり乱暴で短絡的なものでした。

「いや、他に方法あるだろ!!」と、思わず突っ込みたくなるのですが、20歳で最大の成功を収めてから、14年間情けない思いを続けてきた焦りがあったのだと思います。

また、「正攻法では自分はきっとうまく出来ない」という、自信のなさが、この選択の根底にあると思います。

天才少年との因縁

20歳の頃は自信の塊だったシャアが、自分に自信を持てなくなった原因は、ガンダムの主人公アムロにあります。

第一作「機動戦士ガンダム」で、シャアは、最も得意で自分のアイデンティティでもあったはずのモビルスーツ戦で、アムロに負け続けます。

さらに、付き合っていた最愛の女性(ララア)の心までアムロに一瞬で持っていかれるという醜態をさらします。

オタク気質で見た目もぱっとしない15歳の天才少年アムロに、シャアは完膚なきまでにプライドを叩き潰され、トラウマとなってしまったのでしょう。

それ以来、自分に自信を持てなくなったんだと思います。

「逆襲のシャア」では、アムロとの決着にこだわるシャアの姿が描かれます。

こだわりすぎて、大事な作戦が台無しになり、挙げ句の果てに、命まで失ってしまうという異常さです。

シャアはアムロに勝利することで、トラウマを払拭し、ブイブイ言わせていた頃の自信を取り戻したかったのだと思います。

42歳になった私は、そんな情けないシャアの気持ちを理解し、受け入れることが出来るようになりました。

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2017年の社会情勢

私達の生きる現代社会も宇宙世紀に負けず劣らず問題が山積みです。

特に私が気になるのは世代間格差です。

日本は少子高齢化に伴い、高齢者優遇の政策が続いています。

これは、単純に高齢者の数が多いことが原因です。民主主義の基本は多数決なので数が多い方が政治的な力が強いのは当たり前です。

データを見ると、ここ10年で60歳以上の貯蓄額は増加傾向にあるのに対し、30代以下の若者の貯蓄額は減り続けています。

一方、年金や国民健康保険へ納める金額は値上がりし続けています。「福祉が目的」と謳った消費税をはじめ、税金も上がっています。

自営業者として意識するようになってから、これらの金額の多さに驚きました。息がつまりそうなほどです。

支払った分、恩恵が受けられれば良いのですが、年金は自分たちの世代はまともにもらえないでしょうし、国保は高齢者の病院通いで消費されています。税金も、高齢者に関する支出が多く、教育や育児支援など若い世代向けへの支出は先進国の中でも飛び抜けて低い数値です。

「そりゃ、少子化になるし、産まれた子供達も大事なされなければ、国の力も減っていき、未来は暗いよなぁ」と暗澹たる気持ちにもなります。

犯人を捜せ

「これは、一体誰の責任なんだ!けしからん、そいつらに罰を与えなければ!!」と思っていた時期もあります。

犯人を見つけて、シャアのように隕石を落としてやりたいとさえ思っていました。

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しかし、私も42歳。

社会の責任を担うべき年齢です。

汚い大人達が、こんな矛盾だらけの社会をつくりやがって!!」と思っていましたが、いつのまにか自分が、社会を作り出すべき大人達の年齢になっていました。

ちなみに、ジョン・F・ケネディが大統領に就任したのは43歳です。

今の社会に問題があるとしたら、なんだかんだ言って結局態勢を変えてこられなかった自分達の世代の責任なのかも知れないなぁと、最近思うようになりました。

そのため、年金や国保や税金は、文句言わず満額で納めることにしています(当たり前ですが)。

未来への課題

ただ、一つ気になることは、息子達の世代のことです。

自分たちは自業自得でしょうがないけど、この子達に、こんな苦労はさせたくないと思います。

なので、自分が高齢者になったときは、優遇されない覚悟をしました。

具体的には、年金をもらわなくても生きていけるように。国保が崩壊しても、健康でいられるように。税金は教育や子育て支援に使ってもらえるように。

そのために、国や子供達に頼らず、経済的な独立ができるようにしたいと、42歳現在の私は考えています。

シャアが可愛い?

気がつくと、シャアが亡くなった年齢より8歳も年上になりました。

歳をとったことに対する、独特な後悔に似た感情も幾分かありますが、「納得できない社会に対して隕石を落としてやる」と考えてしまうシャアが若く可愛く思えたという、自分の成長に対する感慨の方が不思議と大きいです。

50代になったとき、自分はどう感じるのでしょうか。

やっぱり「ガンダム、ガンダム」言ってるんでしょうか、、、。

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