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はり百本 vs 少数はり・治療に最適な鍼の本数とは?

" 整動鍼, はり治療研究 "

2016年9月20日

二千年の歴史に答えはあるか?

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初めてはり治療を受けられる方にとって、「はり治療って普通は、はりを何本くらい使うの?」というのは気になるところだと思います。

 

実は、二千年とも言われる長い歴史を誇る「はり治療」の世界ですが、まだこの問いに対する統一した答えは出せていません。

 

なんとなく少ない方が良い、という空気がある一方で、必ず100本ハリを打つという、芸能人御用達のカリスマ鍼灸師もいます。

 

一口に、はり治療といっても、やり方や思想がバラバラな現状があります。

鍼治療の多様性

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多様性があるのが、はり治療の良いところでもありますが、あまりにもバラバラなのは問題があると思います。

 

なぜ、このような問題が起こるのかについて書き始めると、ドストエフスキーの「罪と罰」なみに長くなりますので、違う機会に譲りますが、とにかく、はり治療はバラバラであるという大前提があることをご理解ください。

 

そんな色々な考え方がある中で、私は現在、3〜7本が一回の治療に最適な鍼の本数であると考えています。これは、自分の臨床の経験から導き出された答えです。

50本以上から少数鍼へ

以前は、かなり多くの本数を使っていました。多いときで50本を超えることもありました。それが少ない本数に変わったのは、整動鍼(せいどうしん)という新しい鍼治療の手法を取り入れたのがきっかけです。

 

整動鍼には、一本鍼をするごとに患者さんと一緒に効果を確認する、という原則がありあます。

 

以前の私の治療法では、全身の流れを整える鍼をして、症状に関連する部分の鍼をして、さらに、残った痛みのある箇所に直接鍼をして、最後に患者さんの感想を聞いていましたOMG0I9A9238280133641_TP_V

最後に結果を聞くので、その際、「良くなった」と言ってもらえる確率を高めるために、効果がありそうな箇所があれば、可能な限り鍼を打ち込んでいました

 

自然と、ハリの本数も多くなります。勉強して知識が増えれば増えるほど、ハリの本数も増加する傾向にありました。

整動鍼の威力

それがガラリと変わりました。

 

整動鍼の導入後、どんどん使う鍼の本数が減ってきたのです。

 

整動鍼は、鍼をする箇所(ツボ)を、古典の解釈や、治療哲学から一旦離れ、効果という評価のみで再定義をしたものです。正確にそのツボを鍼で捉えることができれば、これまでの鍼治療と比べて、段違いのはっきりとした効果を出すことが出来ます。

 

患者さんも、一つの症状があっさり改善するので、「こんなに効くんなら」と、問診時にはお話されなかった症状を細かく訴え始める方もいらっしゃいます。

 

整動鍼を取り入れたばかりの頃、私も、調子に乗って、ホイホイと鍼を増やしていったこともあったのですが、そこで気づいたことがあります。

 

それは、はりの本数を増やせば増やすほど、効果が曖昧になっていくということです。

 

さらに、あまり多く鍼を打ち過ぎると、最初に解決したはずの症状が再発するということも経験しました。

 

これは、鍼を一本するごとに、効果を確認するからこそ気づけた現象です。

はりを増やすと、治らなくなる

もう少し具体的に、このことついて「肩こり」を例に説明させていただきたいと思います。

 

肩凝りイラスト006ひどい肩こりの場合、肩こりのある箇所に触れると、堅く盛り上がっていることがあります。はっきりとコリが感じられるので、ここに施術を加えたくなりますが、コリを引き起こしている原因は別の箇所にあります。

 

そのため、コリそのものに、指圧やマッサージや針や電気を加えても、一時的な鎮痛は得られますが、本当に治っているわけではないので、すぐにぶり返してきてしまいます。

 

詳しくはこちらもご覧下さい。 揉むほど悪くなる?本当は怖い「肩こり」の危険なマッサージとは | ドアのノックはゆっくりと

 

 

 

整動鍼は、コリそのものではなく、本当の原因へ鍼をしていきます。するとすぐに効果が現れ、コリが解消します。

 

しかし、肩から首にかけては、身体の様々な不調が集積する箇所であるため、原因が一つではなく、複雑に絡み合っている肩こりも多くあります。

複雑に絡まった肩こり治療での発見

複雑に絡まった肩こりを治療するとき、鍼を一本するごとに効果を確認していくと、次のような現象に遭遇します。

 

下の図のように、A,B,C,Dと4つの原因が絡みあう肩こりがあったとします。

針一〇〇本002

症状の強さとしては、A>B>C>Dとします。

 

まず、最大の問題であるAの原因に鍼を一本します。すると、

針一本後

Aが100%改善し、B,C,Dが残ります。この時、患者さんは、「なんだか肩が軽くなった気はするが、違うところに違和感が出た」と感じることが多いです。

 

人間は、最もつらい部分しか認識することが出来ません。最もつらい箇所が解消されると、2番目に潜んでいた不調を認識し始めます。そのため、「痛みや違和感が移動した」と感じることがあるのです。

 

次に、Bの原因に鍼をして、確認します。すると、

針二本後

当然、Bの症状が改善されます。

 

しかし、ここで注目していただきたいのは、Aのときとは違い、Bは20%ほど症状が残ってしまいます。さらに、消えていたはずのAの症状も、うっすらと復活し始めます。

 

このとき患者さんは、Cが一番つらいので、Cの違和感を感じています。そこで、Cの原因に鍼をします。すると、

鍼三本目

Cの症状は半分ほどの改善になります。

 

同時に、AもBも症状が少し戻ってきます。患者さんは、まだ100%残っているDの症状が気になる状態です。そこで、Dの原因に鍼をします。すると、

針四本後

Dの症状は30%程度の回復にとどまります。同時に、Aの症状が80%まで戻ってきてしまいます。

 

患者さんは、「なんだか最初の痛みがちょっと戻ってきたかも」と感じてしまう状態です。

 

まとめると、

  • 鍼は一本目の効果が最も高い。
  • 本数を増やしていくごとに、鍼の効果は減っていき、解消したはずの症状も戻ってくる。

という事になります。

鍼の本数と治療後の変化

さらに、重要な違いが、治療後に現れます。

2回目の施術時に確認すると、鍼一本のみで治療した場合、

 

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上の図のように、Aの症状は消失したままの状態であることが多くなります。次はBをターゲットにし、その次はCをターゲットに、と時間を空けて治療をすることで、完全に症状が出なくなる状態を目指せます。

 

対して、4本の鍼を使った場合、時間が経つと、

針一〇〇本002

上の図のように、なんと、最初の状態に戻っていることが多いのです。これだと、またはじめからの治療の繰り返しになってしまいます。

 

これは、症状が複数ある場合にも当てはまります。

 

「頭痛」「肩こり」「腰痛」「膝痛」「股関節痛」「過敏性腸症候群」「逆流性食道炎」など、患者さんが複数の症状を抱えている場合、もちろん、それぞれの症状は関連性がある事が多く、同じ原因から来ている場合は、それを治療すれば問題ないのですが、違う原因によるものの場合、「肩こり」を改善して、「股関節痛」「過敏性腸症候群」と治療していくと、肩こりの症状が戻ってきてしまうことになります。

 

一度に全て対処するよりも、一件ずつ解決していった方が、結局、短期間で全て完治する可能性が高いのです。

医療とリラクゼーション

どちらのやり方がいいかは、目指すスタイルにもよります。

 

定期的に通っていただいて、その度に楽にはなるけど、また症状がぶり返すので、永遠に通っていただく事を推奨するリラクゼーションタイプを目指すなら、多めの鍼の本数の方が良いでしょう。

 

逆に、本当の原因を解消することで、肩こりの起こらない身体に調整し、完治を目指す医療タイプを目指すなら、少数の鍼の方が適していることになります。

 

リラクゼーションタイプの方が、リピートが見込めるので経営的にも安定します。医療タイプは、相当な腕と、多数の新規の患者さんを呼び込む力が必要です。

 

さて、ではなぜ、はりを増やすと効き目が曖昧になり、予後も悪くなるのでしょうか?

 

次回は、それについての考察と、少数鍼のメリットデメリットについてお伝えしたいと思います。

 

カテゴリー: 整動鍼, はり治療研究.
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