泥水をすすれ〜鍼灸師のあぶない冒険②
2017/06/08
ゴッドハンド経営では飯が食えない
前回のお話はこちら。
整動鍼インストール完了、、しかし、、
2015年4月に受講した整動鍼セミナー・脊柱編で、私は3種類の整動鍼セミナーを全て修了しました。
この時の高揚感は半端なく、まるで自分がゴッドハンドになったかのような錯覚を抱きそうなくらいでした。
実際は、ゴッドハンドとまではいきませんが、以前より治療成績は抜群に上がり、治るまでの期間も短くなりました。
鍼灸師、治療家としては最高に嬉しかったのですが、治療院を経営する経営者としては非常に頭の痛い問題が発生しました。
経営スタイルを「健康な人生のお手伝いをする一生涯のパートナーとしてどうでしょう?」から、「治る事が全て。治れば通院はおしまいです。私のことなど忘れて人生楽しんで下さい。」へ変更したことで、患者さんのリピート率が激減し、売上が落ちたのです。
赤字とタイムリミット
快気堂鍼灸院白石2015年データ①
2015年5月の新患数は13人と多めでしたが、リピート率が低いため、1日平均来院数が6.4人(週5日営業)と伸び悩みました。さらに、来院数以上に売上が悪く、今見るとゾッとする数字です。
(4月まで週休1日だったのを5月から週休2日にしました。5月から1日平均来院数が上がってるように見えますが、月の営業美が減ったための影響です。売上的には全く上がっていません。)
5月は、経費と生活費を引くと20万円ほどの赤字でした。
この赤字額、私にとって悩ましい金額でした。
整動鍼・活法のセミナーへ一度行くと、セミナー代や渡航費、滞在費を合わせて20万弱かかっていたのです。これを月1~2回のペースで通っていました。
ここを削れば、慎ましやかではあるでしょうが、暮らしてはいけます。しかし、技術こそ生命線と考えている私にとって、技術への投資を削るのは出来るだけ避けたいところです。
当時の貯金額が110万円。このまま赤字が続くと半年待たずにゲームオーバーです。
早急に対策を練る必要がありました。
3つの口癖
この頃、次の3つの言葉が口癖になっていました。
1,短期間で治療を卒業する患者さんを見送ったときにつぶやく「治療成績は上がっているから絶対大丈夫。」
2,来院数が極端に少なかった日(0の日もありました)につぶやく「もう一度開業したようなものだから。」
3,新患さんが入った日につぶやく「今度こそ、勢いを感じます!」
しかし、いくらポジティブな言葉をつぶやいてみても、思考が現実化する日はなかなか訪れませんでした。
6月は新患8人、1日平均来院数6.0人(減りました)、7月は新患7人、1日平均来院数6.3人でした。
泥水をすすれ
このまま赤字が続けば、廃業待ったなしです。
「何とかしなければ、、、。たとえ、泥水をすするような事であっても。」
生き残りのヒントを求めて、プライドを捨て、近所の繁盛治療院や全国の有名治療院の秘密を探りだそうと必死で情報収集しました。
すると、ハッキリとした、ある共通項が見えてきたのです。
これだけ共通しているのなら、何かしらのメソッドがあるに違いないと考え、調べていった結果、心理学を応用し、顧客を広く集め、大きな収益モデルへつなげていくテクニックの存在を知りました。
そのテクニックは「マーケティング」と呼ばれていました。
Webサイトの変更
さらに、好調な鍼灸院のサイトの多くは、治療院専門のマーケティング会社クド〇ンによって作られていることに気付いた私は、試しに、ク〇ケン系の繁盛治療院を真似て、Webサイトのデザインを変更してみました。
変更前は、栗原先生の養気院のサイトを参考にしたシンプルなデザインで、自分の治療に対する理念や、患者さんに対するメッセージなどを中心に載せていました。
それを「なぜ、あなたが地域No.1の快気堂鍼灸院白石に通わなければならないのか。」という、ちょっとギラギラしたコンセプトを中心にして作り直してみたのです。
すると、8月は新患が14人(1日平均来院数6.1)、9月は新患が13人(1日平均来院数6.5人)と新患数が増えたのです。1日平均来院数が伸びてないので赤字は変わりませんでしたが、手応えを感じさせる新患の増え方でした。
快気堂鍼灸院白石2015年データ②
「Webサイトのコンセプトとデザインを変えただけで、、、。」
「マーケティング」という未知の力に打ちのめされた私は、泥水をすする覚悟で、今まで忌避してきたマーケティングの世界に足を踏み入れる覚悟を決めました。
つづく
第3回予告。
治療院業界のマーケティング面に手を染めた鍼灸師谷地は、整動鍼・活法整体・経絡治療・美容鍼灸を統合し、無敵の鍼灸治療院を作り上げるが、、、、。
次回、「ぼくのかんがえたさいきょうのしんきゅういん。」
お楽しみに!!
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