ドアのノックはゆっくりと

札幌市の鍼灸院 快気堂鍼灸院白石で紡がれる物語

*

ボランティア参加。師匠の背中の温もり

      2017/06/08

札幌〜支笏湖ウルトラチャレンジ70km

9月20日、今年で14回目になる札幌〜支笏湖ウルトラチャレンジ70km(略してウルチャレ)に鍼灸ボランティアとして初めて参加してきました。

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札幌〜支笏湖と謳われていますが、昨年の豪雨による土砂崩れなどの被害で本来のコースが使用不可能になり、往復35kmのコースを2周回するコースに変更されています。そのため、支笏湖までは行かず、折り返し地点は恵庭になっていました。

北海道鍼灸師会は3年前からボランティアとして参加しています。

なぜ参加するか

私が参加した理由は3つありました。

大義名分はちゃんとあります

まず、鍼灸師会の鍼灸を知ってもらうための活動をお手伝いしたいと考えました。

北海道鍼灸師会からは、大湊隆次郎会長をはじめ、重鎮クラスの方々が毎年参加しています。大先輩の皆様には頭が下がりますが、こういう活動こそ、我々のような若手(といっても40歳になりましたが)が積極的に参加して、見聞を広め、鍼灸の未来のために貢献すべき、、、とデモに参加する意識の高い学生さん達のような大義名分が一応一つの理由です。

見聞を広めたい

次に、マラソンランナーの身体とメンタルに触れてみたいと考えました。

マラソンは特殊な世界です。ましてや、70kmにチャレンジするなんて普通のことではありません。そこにお金を払ってまで参加する方々のメンタルや肉体はどんなものかと興味がありました。

好奇心と技術向上

最後に、これが本音ですが、自分の活法を試したいという思いがありました。

今回の鍼灸ボランティア活動、かなり制限があります。まず、一人の治療時間が5〜6分。普通の鍼、灸は使用できず、パイオネックスという0.2mmの鍼がついたシールを貼る(全く無痛です)治療のみ。パイオネックスは一人6枚まで。

パイオネックスは、使用することで運動のパフォーマンス向上、運動後の回復促進に効果が有るとデータが出ています。が、普通の鍼灸治療ができないのは、かなりの制限です。

あくまで鍼灸の認知を広げるための活動なので、応急処置としてさせてもらって、本格的な治療は鍼灸院で、という趣旨になっています。

ただし、この条件、活法試すには絶好の条件ではないか!と、よろしくない好奇心がムクムクと頭を擡げてきたのです。活法は戦国時代に、戦場の兵士を回復させるための技術として発展してきました。なので、こういう条件には強いはずです。

しかし、活動の目的はあくまで鍼灸の認知と普及、、、活法やっていいのか?怒られるんじゃないか?と不安もありました。

鍼を使わない鍼治療

私は「活法は鍼を使わない鍼治療」と考えています。剣の達人は刀を持っていなくとも強いものです。それは、達人は刀を振るだけがうまいのではなく、身体の動きや仕組みを深く理解していて、応用が利くからです。

活法と鍼についても同じように私は考えています。実際、活法を身につけると、身体の動きの仕組みが良くわかるので、鍼の効果も上がります。活法と鍼の共通点も多々あります。「鍼を使わない鍼治療」として、堂々と活法を使おうと心に決めました。

最悪、「鍼を使用する前のちょっとした検査法です」と誤魔化そうとも考えていましたが。

ボランティアスタート

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ボランティア参加は、2班に7名ずつ分かれました。

1班は、5時45分〜12時半までの活動。主にスタート前のコンディション調整と折り返してきた選手に対しての治療を担当します。

2班は、12時半から6時半までの活動。ゴールした選手の回復をアシストする治療を担当します。

私は1班に参加しました。5時45分集合と言われると驚きますが、早起きが得意で、いつも4時に起床しているので、むしろ朝の活動は歓迎です。

5時40分頃に大湊会長をはじめ、メンバーも続々と到着し、会場設営が始まりました。

6時を過ぎると、早速、患者さんが来たので慌ただしく治療開始。開会式開始の7時半まではラッシュが続きます。

一人目の患者さんは、私たちへの説明も兼ねて大湊会長が担当。二人目から、いよいよ私の出番です。足首が痛むとのことなので、検査のふりして、活法の「足首の調整」をしたところ、痛みがなくなったようでした。

しかし、ここで問題発生、パイオネックスを貼ろうとすると、「もう痛くないからいらない」と拒否されるという想定外な事態に。マラソンランナーの一筋縄ではいかない頑なさをのっけから体験。パフォーマンスの改善に効果があることを根気強く説明し、なんとか貼らせてもらいましたが、活法禁止されるのでは?と冷や汗をかきました。

それからは調子よく、7時半の開会式まで7人ほど担当しました。スタート後はスタッフの皆さんも治療を受けに来られました。ほとんどの皆さんに、効果も出て喜んでもらえたし、パイオネックスも貼らせてもらえたので嬉しかったです。

そのなかで、幾つか課題も見つかりました。

ボランティア参加でわかった幾つかの課題

課題1

選手の方たちに指示通り動いてもらうのに苦労しました。スタート前でテンション高いせいもあるのか、はたまた、自己を追求するマラソンですから自分にこだわりを持ってらっしゃる方が多いためか、「座ってください」と言っても、うつ伏せに寝っ転がって動かなかったり、検査(と称した活法)をしようとしても、ここにパイオネックス貼ってくれ!と一切動こうとしない、「足首を動かしてください」と説明しても、肩を動かしてトレーニングの話をし始めるなど、活法の基本である、指示をして一緒に動いてもらうというのに苦労しました。

これには、自分の治療院ではないこと、メンバーの中で比較的若く見えるので権威が感じられないこと、会場がうるさくて声が届きづらいことなどの悪条件が重なっているのも原因であると考えられます。

課題2

テーピングをしっかりしている人も多く、足首や膝、股関節が本来の動きができず、検査も活法も効果確認も難しい事がありました。

課題3

下肢への活法の技をもっと増やしたいと思いました。治療院に来る患者さんとは違うタイプの症状が多く、細かい筋肉の調整が求められました。活法セミナーの「腰痛編」「骨盤編」で習得した技が大活躍しましたが、より細かいニーズに応えるため、まだ未習得である「下肢編」の技の必要性を強く感じました。

課題4

じっくりとした問診や動作観察の時間がないため、より早い判断が必要とされます。碓井師匠とまではいかないですが、すぐに治療パターンが出てくるように、より経験を積みたいと思います。そのためにもこういった活動にチャレンジすることは重要だと思いました。

活法バレてました。

選手たちがスタートしてしまうと、時間に余裕ができます。

H先生が調子が悪いというので、活法で腰の治療をさせてもらいました。この辺になると活法も黙認状態です。というか、大湊会長が操体方との共通点を述べるなど、活法やってるの完全にバレてます。いやー、そりゃバレますよね。基本を守ればやり方は任せてくれる、大湊会長の度量の大きさに感謝です。

次に、H先生に「首の可動域の治療もやらせてもらっていいですか?」と聞くと、後ろから「俺がやってもらおうかな?」と声がしました。振り返ると、なんと、大湊会長です。

聞くと、3年前にこのボランティアに参加した時、首を痛めて動かなくなり、それ以来調子が悪いとのこと。しかし、会長に治療するなんてメチャクチャ恐れ多くて、失禁寸前です。

師匠の背中を再び借りる感慨

学生時代、毎週、大湊会長の治療院に通わせていただき、色々なことを学ばせていただきました。ときには、背中を貸していただき、鍼とお灸の稽古もさせていただきました。いわば、私の鍼灸の最初の師匠なのです。師匠かつ会長に治療、かなり難易度高めです。

鍼ではなく活法と、畑違いの技術だからなんとかなると自分を鼓舞し、治療させていただきました。

会長はもちろん、手を酷使する鍼灸師です。手や指の疲労から首、肩甲骨に問題が出ていると考え、活法は「扇」を選択しました。結果、可動域がだいぶ改善。さらに肩甲挙筋の違和感が強いとのことで、栗原先生オリジナル活法(ラクル)の「肘のフリークリース」を選択。肩甲挙筋が緩む変化を感じていただきました。

確認のために触れさせていただいた、大湊会長の懐かしい背中の感触にちょっとうるっときました。

時間と自分の気力の関係で2手で治療は終了しましたが、「大分楽になったわ」と、何度も言っていただき、思わず「活法習ってよかった!」と叫んでしまいました。

大湊会長、帰り際にも「いやー楽になった」と仰ってくれます。H先生が「大湊会長、人の治療を褒めることがないから良かったね」と冗談めかして言ってくれて、喜んだのもつかの間、「そもそも、会長を治療する人がいないからね」とのY先生の言葉に、大それたことをしたなあと、みぞおちに冷たいものを感じました。

ふと大湊会長を見ると、温かい笑顔でこちらを見ていたので、また、嬉しさがこみ上げてきました。

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12時半になり、2班と交代。大きな問題もなく、治療も概ね好評で、大湊会長の治療をするという大チャレンジにも成功し、満足のボランティア参加でした。また、課題を克服し、さらに大きくなって参加したいと思います。

 

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