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鍼灸をめぐる冒険(4)はじまりの地、経絡治療

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)のつづき

「医療と慰安」という緯度・経度が記された冒険の地図を手にし、医療的な鍼灸へ向かって大きく舵を切ることを決心した私。

医療的な鍼灸という見方で、それまでの自分の治療法を見直してみると、越えるべき壁があることに気づきました。

経絡治療という選択

それまで、私は経絡治療を中心とした治療を行っていました。経絡治療とは、古典派と言われる日本の伝統的な鍼灸治療です。

人間の身体には経絡という流れが存在し、身体の不調は全てこの経絡に問題が起こるのが原因と考えます。

経絡の好不調は、脈診で確認します。脈診とは、両手首にある橈骨動脈に左右3本ずつの指で触れて、脈の強さ、堅さ、形などを比べ、経絡の不調のある箇所を探る診断方法です。

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不調のある箇所がわかれば、治療するポイントも決まります。不調のある経絡上の重要度の高いツボに鍼をしたり灸をしたりします。治療後、再び脈診をし、経絡の不調が解決されていれば終了です。

このやり方で、運動器疾患から内蔵疾患まで、あらゆる症状に対応していきます。

鍼灸には数え切れないほどの流派があり、経絡治療はその中でも比較的大きいグループになりますが、経絡治療の中でもさらにやり方が無数に分かれています。鍼灸と一口に言っても、本当にバラバラなんです、、、。

その中でも、私は首藤傳明先生の超浅刺を特徴とする経絡治療を取り入れていました。

経絡治療を選んだ理由には次のようなものがあります。

1,学校で習ったことだけでは、臨床で通用しない。

これは、鍼灸学校を卒業したらまずぶち当たる壁ではないでしょうか。鍼灸学校のカリキュラムはどうしても国家試験を意識したものにならざるを得ません。机上での優秀さや、学術的な質の高さは、必ずしも臨床に直結しません。

教科書は、どちらかというと西洋医学的なものが中心となっています。さらに、各方面に気を遣った記述にならざるを得ず、曖昧になりがちで、治療法も、治療効果もボンヤリした印象です。

かたや、臨床でガッツリ活躍している先生は、ほぼ教科書的な治療からはみ出しています。

現状において、鍼灸一本でやって行くためには、学校で習ったこと以上の治療法を身につけることが必須になります。

2,学生時代から、脈診が得意だった。

経絡治療に挑戦する際、ネックになるのが脈診です。脈だけで全ての症状を把握するなんて、どう考えても難しそうですよね。

学校でも、割り当てられる授業時間では短すぎて習得できっこないので、紹介程度にとどまります。私の同級生達も、「脈診?意味わかんねー」状態でした。

しかし、私は、脈診が最初からなぜかしっくりきました。脈診で基本となる、脈で経絡のどこが弱っているかを診るというのが、すぐできるようになりました。得意な事を利用しない手はありません。

3,脈がわかれば治療するツボが決まるシンプルさ。

例えば、精密な診断が特徴の中医学的な鍼灸治療では、膨大な知識の中から、さんざん考えてやっと一つの診断にたどり着くのですが、そこから使用する候補となるツボがまた20箇所も30箇所も出てきて、悩まなければいけません。

首藤傳明先生の経絡治療では、最初は、とりあえず4タイプの診断ができれば十分治療できるとされています。1タイプには、基本的なツボが2個ずつ割り当てられています。つまり、ツボは8つだけ。そこから2つ選ぶだけで治療ができる事になります。このシンプルさで全ての症状に対応できるという驚き。脈さえわかれば、ものすごい恩恵が受けられるわけです。

4,標治法が自由で取り入れやすかった。

東洋医学には、本治法と標治法という考えがあります。

本治法は、身体の根本の力を回復させることで病を治そうとする治療です。それに対して、標治法は、痛むところ、異常のあるところに直接治療を加えて治そうとするものです。

本治法の方が難易度が高く、レベルの高い治療だと考えられています。経絡治療も、本治法のメソッドです。しかし、すぐに結果が出るものではありません。身体の根本が回復し、患部の問題が解決するまでには、どうしてもタイムラグが生じます。完璧な習得にも時間がかかります。

首藤傳明先生は、とりあえず、食っていくためにも標治法で局所治療をし、先ほどのシンプルな本治法をそれに付け加えるところから始めたら良いと言っています。本治法を極めようとしたら、相当の修練と才能が必要ですが、この方法なら比較的簡単に取り入れられます。

このやり方で経絡治療を取り入れてみたところ、局所治療だけの時よりも治療の効果がすごく上がりました。

5,ほとんど刺さない超浅刺は、痛みがないので鍼が怖い人にもアピールできる。

首藤先生が提唱する超浅刺は、ほとんど鍼を刺しません。皮膚の上に鍼を置いて、くるくると高速で回転させるだけです。痛みも少なく、むしろ気持ちよい感じがします。

一般の人が鍼を受ける際に障壁になるのが、「鍼が痛いんじゃないか?」という不安です。刺さないし、むしろ心地よいとなると、大きなアピールポイントになります。

6,首藤傳明先生がとにかくかっこよくてシビれる、憧れる。

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首藤先生のかっこよさ、面白さ、暖かい人柄、学び続ける姿勢は群を抜いています。

経絡治療学会で見かけたときも、たたずまいからしてかっこよくて、アイドルに会ったかのようにドキドキしちゃいました。

この学会、鍼灸の学術イベントとしてはかなり大きな規模で、会場も銀座の国際フォーラムとすごい場所、参加者も関係者も重ーい雰囲気を醸し出す中、最初の挨拶に首藤先生が登場しただけで、会場の空気が和むのがわかりました。

80代とは思えない瑞々しさとユーモアに溢れたお話に、会場のボルテージもどんどん上がっていきました。これぞカリスマ。生ける名人!!リビングレジェンド!!!と、素数を数えて心を落ち着けなければ、絶叫を禁じ得ないであろう何かが、ビンビンと首藤先生から感じられました。

あんな風になりたい!!鍼灸師の一つの理想像として、首藤先生に憧れ、経絡治療を志す人も多いんじゃないでしょうか?

愛しの経絡治療、しかし、、

このように、脈さえわかればメリット満載の経絡治療。素晴らしい治療法だと思います。私も本当に大好きで、本題からはずれて、だいぶ経絡治療の話が長くなってしまいました。

しかし、患者さんが激減し、治療院が存続の危機となり、「快気堂鍼灸院白石でなければならない強烈な理由」が必要になった時、経絡治療を中心としたスタイルを変えざるを得なくなりました。

あんなに好きで、鍼灸師相手の講演まで行った経絡治療を私は全く使わなくなってしまいました。

その理由とは、、、。

つづく,,,,(

これを読んで、経絡治療にはまりました。

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