(10)のつづき
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兆しが見えたら舵を切れ!
快気堂鍼灸院白石滅亡までのカウントダウンが進む中、鍼灸院を救うため、世界に一つだけの秘宝「快気堂鍼灸院白石でなければならない理由」を求めて冒険中の私。
紆余曲折を得て、ついに、「整動鍼」と「活法」という冒険の鍵となりそうな存在を見つけました。
後は、思い切って舵を切るだけです。
この時(2015年上半期)の「整動鍼・活法の1日体験会」は、上半身編が2月22日、下半身編が3月1日と、2週連続での開催でした。沈没までのタイムリミットが迫っていた私は、迷わず両方に申し込みをしました。
東京での熱狂
札幌から東京という片道833kmもの大航海を、現代文明の象徴であるジェット旅客機は、わずか90分で終了させます。
無事、会場のある池尻大橋に到着し、ホテルサーブ別館5階の会議室に入ると、話題の活法、整動鍼が1万円台で体験・習得できるということもあって、ほぼ満杯の状態でした。
鍼灸業界での「整動鍼」・「活法」への注目の高さが感じられます(この時は、鍼灸師であることが参加の資格でした)。
憧れの栗原先生の姿もあります。ドキドキしながら、テキストを見るふりしてチラチラ見ていました。
時間となり、活法研究会代表の橋本聖樹先生のお話が始まりました。
古武術の裏技として発展してきた活法です。道場のような厳格な雰囲気を想像していましたが、橋本代表は、力みがなく、ほんわかしていて、イタズラっぽいおふざけを随所に仕込んでくるなど、明るく楽しく、ちょっと緩いムードで、武術のイメージとは真逆の空気感を醸し出していました。
活法って、力まず、どんなことがあっても対応できるようにするのが極意なので、橋本代表の姿は、活法を体現してるんだなぁと、あとで気づきました。
そして、いよいよ、副代表である栗原先生の登場です。
私は、芸能人に会ったときのように「栗原先生が動いている!!」「栗原先生がしゃべっている!!」と、変な興奮をしてしまいました。栗原先生の印象は、話したいことが山ほどあるけど、諸処の理由で、言葉と内容を慎重に選びながら話している感じがしました。「柔らかいのに尖っている」ブログのイメージそのままだと思いました。
体験会を超えた本格的セミナー
この時の1日体験セミナーで提供された技術は次のようなものでした。
上半身編
活法
・首の回旋を改善する「勾玉の調整」
・肘の可動域を改善する「肘の空気抜き」
・五十肩など肩の上がらない症状を改善する「肩甲骨返し」
整動鍼
・整動鍼理論のムチウチ後遺症への応用:首の痛みと背中の連動性の関係を学びました。
下半身編
活法
・正座をしやすくする「膝の空気抜き」
・腓腹筋、ヒラメ筋の緊張を緩和する「腓腹筋の導引」
・SLRを改善する「脚転調整」
整動鍼
・整動鍼理論から考える腰痛特効穴の応用:委中、腰腿点は腰のどこに効果が出て、どんな種類の腰痛に効果があるのかと、梨状筋と腰痛の関係について学びました。
初体験の緊張
体験セミナーという名前ですが、これらのことを紹介して終わりではなく、あくまで実践で使えるようになって帰ってもらうというのが、このセミナーの意図することころです。
他のセミナーでありがちな、先生の高尚なお話を聞いて、最後に実技という名のデモを見せてもらって終わりというのではなく、簡単な説明やデモの後、参加者同士で、ひたすら技の練習が繰り返されます。
マッサージや整体をしたことがない私にとっては、初めて会った人達と練習で技を掛け合うというのは新鮮な体験で、多少戸惑いもありました。
活法特有の”トン”というかけ声も、緊張のためか、声が裏返ったり、かすれたりして、うまく出せない有様でした。セミナー後はかなりグッタリした記憶があります。
整動鍼を体験する
幸運にも、上半身編の整動鍼デモでモデルになり、栗原先生の治療を体験することが出来ました。
実は、私は、5年以上、首の左後ろ側にしびれたような痛みがあり、鍼灸をはじめとする様々な治療を受けてきたのですが、治療直後はいい感じだけど、また痛みが戻ってきてしまうという状態を繰り返していて、半ば完治をあきらめていました。
整動鍼では、ムチウチ後遺症をはじめとする、こういった首の症状の一部は、背中との連動性が失われた結果発生していると考えます。
栗原先生は、私の背中に鍼を一本打ちました。全神経を背中に集中させていた私は、栗原先生の柔らかいタッチと手の温かさに感動していましたが、一瞬で治療は終わってしまいました。「首を動かしてみてください」と栗原先生に言われて、動かしてみると、痛みが全くなくなっていました。
これまでの治療は、痛む部分に何らかの刺激を与えるものでした。だから、治療後は、やってもらった余韻と、ちょっと麻痺してる感じがありました。一方、栗原先生の治療は、ただ痛みが消えた、という感じでした。痛み以外は、だるさもなく、変化を感じません。5年前の痛みが出る前に戻ったような感じです。これは今までにない不思議な感覚でした。そして、首の痛みは、その後も再発しませんでした。
夢の後の不安
終始明るい雰囲気で、笑い声が響く中、あっという間に体験セミナーは修了しました。これまでのどんなセミナーや勉強会にも感じたことのない充実感と達成感に溢れていました。しかし、溢れすぎて、まるで夢だったかのような、気を抜くと自分の手からすり抜けていってしまいそうな、不思議な感覚を抱きました。
そして、札幌に向かう帰りの飛行機で、心地よい疲労に包まれながら、不安が大きくなっていきました。確かに、体験した栗原先生の治療はすごかったし、活法も講師の技には効果を感じたけど、1日練習したくらいで、再現できるものなのだろうか?と。
また、正直、活法は練習でやってみたときはそんなにピンと来ていませんでした。
これで、快気堂のピンチが救われるのだろうか?
期待があまりにも大きかった分、そのハードルを越えられるか、自身がもてませんでした。
結局、今までの治療法と同じく、だんだん使わなくなり、経絡治療に戻ってしまうのではないか?とも思いました。
しかし、そんな杞憂も、次の日には霧散してしまいました。
つづく、、、(12)
札幌市白石区の鍼灸院:快気堂鍼灸院白石
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