(7)のつづき
スー◯ーライザー様との逢瀬
一ヶ月の間、スー◯ーライザーを使い、様々な検証を重ねました。
既存の患者さんに了解を得て、できる限り使用し、効果を試しました。
妻のマナコさんにも協力してもらい、思いつく限り、あらゆる可能性についてテストしてみました。
また、毎日暇を見つけては、自分の身体に試し、鍼灸と比較しました。
結果、次のことがわかりました。
・スー◯ーライザーは鍼灸治療に効果が似ている。
・しかし、人の手による鍼灸治療の方が、心地よさも効果も遙かに上である。
自分が感じただけでなく、妻のマナコさん、そして、お試しさせて頂いた患者さん達の大多数もそう感じていました。
ちなみに、スー◯ーライザー様って、楳図かずお先生の大傑作「わたしは真悟」に登場する真悟を彷彿とさせます。
鍼灸 vs 〇〇治療器
スー◯ーライザーの理屈はこうです。
まず、レーザー光(体験してみて、光ではなく電磁波の要素が強いのでは?という気がしました)で身体の深部に刺激を到達させます。
すると、刺激によって深部の緊張が緩み、血流が改善し、痛みが緩和されたり、自律神経の調整が起こると考えられます。
結果、肩こり、腰痛、五十肩、膝痛などの運動器疾患から、めまいや不妊など自律神経系の症状、不妊や婦人科疾患、がんなどの難治性の疾患にアプローチすることができるはずとなっています。
こう見ると、作用から、効果、アプローチする疾患まで鍼灸治療にそっくりです。
スー◯ーライザー以外のこの系統の機械類も、衝撃波、マイクロ波、低周波、電流、超音波、ラジオ波など、深部に到達させるための刺激こそ違いますが、やってることはあまり変わりません。
ただし、深部の不調を精密に探り出し、それぞれに合う適切な刺激を加えるという面では、機械は鍼灸の手技にはかなうものではありません。運動器疾患を苦手としていた当時の私ごときの施術でさえ、かなりの差が出てしまうレベルです。
スー◯ーライザー系は、医師や柔道整復師など、鍼灸ができない人達か、スタッフが何人もいるが、研修にそんなに力を入れずに技術レベルを統一したい人達にこそ必要なものではないのかなぁと思いました。
こだわりの寿司職人に何を求めるか?
これをもし、当院で採用していたら、とてもちぐはぐな状態になってしまったでしょう。
例えるなら、こだわりの寿司職人の店に行ったとします。
大将の腕によりをかけた繊細なにぎり寿司の味に感動していたら、大将がおもむろに、回転寿司にもあるような寿司ロボットを操作して無機質な寿司を作り、「サービスです!」と言って満面の笑顔で、うまくもまずくもない寿司を出してくる。そんな状態です。
こだわりの寿司店には何を求めて行ったのでしょうか?量が多いお得感でしょうか?
さらに、スー◯ーライザーが、総合病院の9割で使用され、札幌の整骨院でも導入事例がそんなに多いのなら、快気堂でやる意味はほとんどありません。
今回の冒険の目的である「快気堂鍼灸院白石でなければならない理由」には何も貢献しません。
実際、この時期、さらに患者さんが減ってしまいました。
世間では素晴らしい活躍をするスー◯ーライザー様ですが、快気堂号は適材適所ではなかったようです。
恋の終わり
一度熱が冷めると、あれだけ輝いて見えたスー◯ーライザー様が、休日にゴロゴロして掃除の邪魔にしかならないダメ亭主のような、無用の長物にしか見えなくなりました。
ジェームズ三木の元奥様が、離婚を決断したのは、ジェームズ三木が卵焼き食べてる姿さえ腹が立つようになったからだ、と語っていた事を思い出しました。
私は躊躇無くスー◯ーライザーとお別れすることを決断しました。
「長く使うとわかる良さもあります。もし良かったら、もうちょっと使ってみては?モニター期間伸ばしますよ」と営業の人は提案してくれましたが、丁寧にお断りさせて頂きました。
夜中の咳に悩んでいた妻のマナコさんは、咳にも速攻で効くと営業の人に説明されていたため「全然効かなかったけど、どういうこと!?」と軽いクレーマー状態になっていました。
こんな風に、患者さんに自分が問い詰められたらと思うと、背筋が寒くなりました。
さらば、機械帝国
エリートは挫折を知らないだけに、一度つまずくと大きなダメージを受けると言います。医療機器界のスーパーエリートたる、スー◯ーライザーも、帰りの車に乗り込む姿は、大変疲れて、うなだれているように見えました。
ここで、宇宙戦艦ヤマトであれば、別れ際に波動砲をぶっ放して、機械帝国自体を消滅させるところですが、沈みかかってる弱小鍼灸院の快気堂号はそんな事出来るはずも無く、私はただ、去りゆく車を見送りながら、短いながらも熱い逢瀬を重ねたスー◯ーライザーのために「ドナドナ」を歌ってあげることくらいしか出来ませんでした。
さて、今回良かったことがあります。それは、250万円を機械につぎ込まずに済んだことです。もし、ここでつぎ込んでいたら、今頃、快気堂鍼灸院白石は跡形も無くなっていたでしょう。
この時、「どうせなら、この浮いた250万円を鍼灸の技術向上のための自己投資に使ってみよう!」と、決めました。
この決心があったからこそ、その後の大逆転の可能性が残されたのです。
つづく、、、、(9)
「わたしは真悟」とにかく大傑作なので、おすすめです。
札幌市白石区の鍼灸院:快気堂鍼灸院白石
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