鍼灸をめぐる冒険の旅（１）祝3周年

祝3周年

ご報告が遅れましたが、5月7日、快気堂鍼灸院白石がめでたく3周年を迎えました。

3年目を一言で表すと【変化】の一年でした。

中学校や高校なんかが3年で一つの区切りであるように、人間には3年周期というリズムがあると思うのです。なので、開院する際、3年を一つのスパンとして考え、３年目で何らかの変化をさせる計画をしていました。それが、1年前倒しになったのは、変化せざるを得ない抜き差しならない状況におちいったからです。

正直、もうだめかもしれないと思いました。しかし、なんとか変化に成功し、ピンチを切り抜け、3周年を迎えることができました。

今になって振り返ってみると、この変化に至るまでの過程は、移動距離も含め、まるで鍼灸をめぐる冒険の旅のようでもありました。

3周年を記念して、今回から、快気堂がどうして変化を必要とし、どのような変化を獲得していったかについての、ささやかな冒険記を記していきたいと思います。快気堂鍼灸院に興味のある方、そうでない方も、しばし私におつきあいください。

By: Kasia

奈落の底で

昨年の5月に私が書いた2周年のブログなんかを見ると、のんきに10大ニュースランキングなんてやっていますが、この頃の快気堂鍼灸院白石の状況はどん底でした。

快気堂鍼灸院白石2周年！１０大ニュースで振り返る。 | ドアのノックはゆっくりと

快気堂は、開院後、順調に来院数も伸び、2年目の中盤までには、ありがたいことに予約枠が一杯になる日が一週間後まで続くような状況になっていました。2014年の12月には、最高来院数と最高売り上げを記録し、2015年はさらなる飛躍の年になると期待が膨らみまくりでした。

しかし、一方で、限界も感じていました。週6日、朝から晩まで休憩も削って治療に当たり、結果を出そうと必要以上に力んでいたこともあり、身も心もすり減った状態になっていました。

唯一の休みである日曜は、研修やセミナーに出かけることも多く、家族との時間はほとんどとれませんでした。手がかかる2歳男児を抱えた妻のストレスも相当なものだったようです。

鍼灸院としては、一見うまくいっているように見える裏で、凋落へのカウントダウンが密かに進んでいました。

By: Michael Pereckas

突然の患者数激減

忘れもしない2015年1月、突然患者さんが激減しました。

はじめのうちは、年始だし、ちょうど外壁工事もしていたので、それが過ぎれば、そのうち患者さんも帰って来るさ！と気楽に構えていたのですが、結局1月の間には盛り返すことができず、売り上げも半分以下になってしまいました。

目一杯働いているときは、休息時間が欲しいなあとも思っていましたが、いざ暇になってみると、余計疲れることが身をもって分かりました。

治療の質を落としたワケではないし、逆に時間がとれるので、より丁寧に気合い十分で治療しているつもりなのに、患者さんが減っていきます。理由がさっぱり思い当たりません。

こんな状態が1ヶ月たっても、2ヶ月たっても続き、閉院の可能性さえちらついてきました。

さすがにのんきな私も、焦り始めます。

鳴らない電話を眺めては、壊れているんじゃないかと疑い、自分のｉＰｈｏｎｅからかけてみるとちゃんと鳴ってがっくりしたり、たまに鳴った電話は、SEＯ対策うんぬんの営業電話で、思わず声を荒げたり。

消えた患者さんのワケは

いったいどうして、患者さんが来なくなったのか、来る日も来る日も考え続け、ふと、カルテを見直していて気づいたことがあります。

実は2014年の10月より、新規の患者さんの数が一気に減っていたのです。9月に比べて10月は新規の患者さんの数が1/3に減り、その後もどんどん減って回復する気配がありませんでした。

患者さんは症状が良くなれば、卒業していきます。治療する側もそれが目標です。なので、新規の患者さんがある程度来てもらわないと、治療院の経営は苦しくなっていきます。12月までは好調に見えていましたが、実は、崩壊の序曲はそのずいぶん前から始まっていたのです。忙しさにかまけ、埋まった予約枠にいい気になり、致命的なところを見逃していました。

では、いったいなぜ、10月から新規の患者さんが激減したのでしょうか？

つづく...（２）

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