生理痛の症例
生理痛の鍼灸治療<改善報告集> |
症例8 出産後からの生理痛
患者
40代女性
来院
2018年4月
症状と来院理由
出産後に生理痛が起こるようになった。下半身の重だるさを強く感じる。眠気やだるさもある。東洋医学に興味があり来院。
治療内容、経過
腹部を触診すると、下半身の重だるさに関係する箇所に強い緊張があった。ふくらはぎに鍼をしたところ、緊張がゆるんだ。全身倦怠感、眠りに関する腹部の緊張もあったため、膝周りに鍼をしたところ、緊張は緩和したので施術を終了とした。
施術の次の日に生理が来た。「眠さやだるさ、腰痛がほとんどなく、びっくりした」とのこと。「効果を感じたので様子をみたい」とのことで、通院を終了とした。
主なツボ
陽陵泉L 、陰谷L、三陰交R
まとめ
はっきりとした痛みではなく、「だるさ」「ねむけ」に対しても身体の緊張を緩和すれば、改善されるという良い例である。
【YT0010769】
症例7 生理10日前からのイライラ,不安感
患者
30代 女性
来院
2018年1O月
症状と来院理由
10年ぐらい前から生理前のイライラはあった。1年前ぐらいから症状がひどくなってきた。生理10日前ぐらいから泣いたり,イライラしたり,不安になったり、感情の起伏が激しくなる。生理2日目ぐらいで、痛みも気持ちも落ち着く。生理痛は寝込まない程度である。ここ2,3年排卵痛がかなりひどくなってきて,腹部の激痛が3−4時間続く。辛さが増してきたため、インターネットで探し、来院。
治療内容、経過
「一診目」腹部を触診すると、婦人科症状特有の箇所、ストレスやイライラに関係する箇所に強い緊張があった。足首近く、膝周りのツボにそれぞれ鍼をしたところ、腹部の緊張が緩和した。
「二診目」前回施術後、「お腹の調子が良く、今まで足が冷えて眠れなかったが暖かくなり,気持ちも落ち着いている」とのこと。同様の施術をする。
「三診目」前回施術後、生理が来たが「メンタルはほぼ気にならず、スッと生理が来た感じ」とのこと。症状安定のため、同様の治療を六診まで繰り返す。その間、排卵痛も起きず、施術を初めて二度目の生理が来たが、感情の乱れも痛みもなく「スーッと来て,スーッと終わった感じ、こんなに変わるのかとびっくりした」とのこと。状態が安定したので、通院を終了とした。
主なツボ
三陰交R、曲泉R、上巨虚L
まとめ
感情も身体の緊張と密接な関係にある事がよくわかる症例である。鍼施術で,特定の箇所に緊張する癖を修正することで,症状がおきづらくする事が出来る
【YT0010914】
症例6 生理時の内太もものピリピリ、お尻の痛み
患者
50代 女性
来院
2018年8月
症状と来院理由
生理時、腰がかなり痛くなる。下痢、便秘にもなり、下腹部も痛くなる。「子宮腺筋症」と、「チョコレート嚢胞」の診断も受けている。先月より生理時、強くお尻が痛くなり、内太ももがちくちくぴりぴりするようになり,辛くなったため、来院。
治療内容、経過
一診目 婦人科特有の下腹部の痛みに関する緊張が腹部にあったため、対応する足のツボに鍼をしたところ、緊張が緩和した。背中に臀部の痛みに関する緊張があり、緩和するため、足のツボに鍼をした。
2診目 前回治療後の4日後に生理が来たが、「1番気になっていた内太もものピリピリやお尻の痛みは無かった」とのこと。生理中であり、「にぶい下腹部痛とじっとしていても腰が痛い」との訴えで、同様の治療をし、「下腹部痛は軽減し、腰もふわっと軽くなった」との事で施術を終了とした。同様の治療を五診まで繰り返す。
二度目の生理が来たが、「下腹部に多少痛みはあったが以前なら生理終了後まで痛みはあったが2日ほどで痛みはスッと消えた、腰痛もほぼ気にならなかった」のこと。排便に関しても「緩くはあるが下痢には至らなかった、今回もお尻の痛みや、内太もものピリピリ感は全く無かった」とのこと。大きな改善がみられたので、様子を見たいという本人の希望により通院を終了とした。
主なツボ
三陰交L、陰谷L、上巨虚L
まとめ
病名がついていても、腹部の緊張を緩和させることにより,症状を改善することができた症例である。生理時の来院も痛いところがよりはっきりしているため、治療の効果を体感しやすいという利点もある。
【YT0010853】
症例5 PMS 生理前の情緒不安定、イライラ
患者
30代 女性
来院
2018年 4月
症状と来院理由
生理10日前より身体のだるさに加え、イライラ,不安など情緒が不安定になる。
排卵日にも痛みがあり、一ヶ月のうち生理後一週間だけしか楽な日がない。
最近、吐き気や頭痛も伴い、つらくなってきたため、ホームページをみて来院。
治療内容、経過
腹部のストレスがあると緊張する箇所に強い反応があった。対応する脚のツボに鍼をすると緊張が緩和した。
婦人科特有の腹部の緊張も2箇所にみられたため、それぞれ対応する脚のツボに鍼をすると腹部の緊張が緩和した。
初診から7日後、14日後、9日後と、同様の施術を続けた。
4診後、「生理があったが、悩みであった不安や情緒不安定はほとんどなく、生理前々日ほんの少しイライラするかな?程度で済んで驚いた。」とのこと。
強い下腹部痛や、吐き気だるさなど身体症状もほとんど起きず、排卵日の痛みも起きなかった。
使用した主なツボ
陰陵泉L、曲泉L、三陰交L、外谷R、陽陵泉L
まとめ
生理時のイライラなど精神的症状はホルモンのバランスの崩れと言われるが,腹部の緊張を緩和することで症状をかなり軽減できた良い例である。
精神的症状、下腹部の痛み、吐き気など症状は多様に見えるが、それぞれに対応する腹部の緊張をゆるめることで、生理痛の多岐に渡る症状を改善できた例といえる。
※ 個人差があるため、効果効能を保証するものではありません。
【YT0010775】
症例4 生理中の腰痛、下腹部痛、胃腸症状
患者
20代 女性
来院
2018年3月
症状と来院理由
生理中の腰痛、下腹部痛に悩まされている。生理の1日目、2日目が特に強く、痛みにより「目の前が真っ白になり、吐いてしまう」。下痢、または便秘を併発し、全身のだるさ、眠気が強くなる。
慢性の頭痛・肩こりがあり、イブやロキソニンを毎日飲んでいる。多いときは1日2回服用する。「ふわーっとしためまい」が週一回程度ある。忙しい時期は毎日めまいがあった。
排卵日は、鼠径部の痛みで朝目覚めてしまい,その後なかなか寝付かれないほど痛む。ストレスがあると生理周期も1週間ほどずれることがある。新しい職場に就職し忙しくなるため、体調を整えたいと来院。
治療内容と経過
上腹部、中腹部に特徴的な緊張がみられた。上腹部に対応する足のツボに鍼をしたところ、上腹部の緊張がとれ、肩が軽くなった。次に中腹部の緊張に対する足のツボに鍼をしたところ、緊張がゆるみ、腰を反っても痛くなくなった。さらに上腹部の緊張とストレスに対応する膝周りのツボに鍼をしたところ,緊張がとれたため、治療を終了とした。
その後、同様の施術を続けた結果、毎日あった頭痛頻度が一診後週2回に減り、四診後にはほとんどなくなり薬もほぼ服用しなくなった。生理時、腰痛めまいも起きず、排卵時の痛みもなかった。
使用した主なツボ
三陰交L、足三里L.、曲泉R、懸鐘L
まとめ
腹部の緊張が腰痛、頭痛、肩こりを引き起こしていた。腹部の緊張がとれることで複数の症状が改善した良い例である。
※ 個人差があるため、効果効能を保証するものではありません。
【YT0010764】
症例3 生理中の頭痛と生理後も続く下腹部痛
患者
女性 40代
来院
2018年 1月
症状と来院理由
10年前から、生理前後の一週間、目の周りから頭の後ろにかけて痛みが出る。病院で偏頭痛と診断され、レルパックスが処方されている。
生理中は、薬を飲まないと一日中頭痛が続く。
前回の生理中から、下腹部痛が続く。「恥骨の奥がジンジン」と痛む。排尿時に痛みが強い。
生理が終わって一週間経っても痛みが収まらず、以前、他の症状で通院していた当院に相談となった。
治療内容と経過
首の後ろに強い緊張がみられた。対応する手の甲のツボに鍼をすると、緊張が緩和した。
さらに、恥骨上部に強い圧痛と緊張があったので、膝のツボに鍼をしたところ、圧痛が消失した。
肩コリが残っており、関連するお腹の緊張を確認した。足のツボに鍼をすると、肩こり、お腹の緊張が緩和した。
下腹部痛は1診目以降感じなくなった。4診目で「10年ぶりに生理中の頭痛がなく、薬を飲まなかった」との報告を受けた。
使用した主なツボ
項強R 陰谷L 三陰交R
まとめ
排尿時の下腹部痛、生理中の偏頭痛には、身体の過度な緊張が関わっていることが少なくない。
病院の検査ではっきりとした原因が特定できなかったり、薬を飲んでも繰り返し症状が出るような場合は、鍼による施術で成果が出ることが多い。
過度な緊張を特定し、対応するツボを正確に捉えることが出来れば、長年悩んだ症状も、短期間で改善する可能性は高い。
※結果には個人差があり、効果効能を保証するものではありません。
【YT0010402】
症例2 生理になると発症する、性器の痛だるさ
患者
女性 40代
来院
2018年 1月
症状と来院理由
生理初日になると、下腹部の軽い痛みと共に、性器がとても痛だるくなる。そのせいか足も重だるく感じ、立っているとつらい。出産後より症状が出るようになった。
生理の時だけの痛みであり、場所が場所だけにあまり相談できず、どうしていいかわからずにいたところ、当院のブログを見つけ,来院を決意した。
治療内容と経過
痛みのあるときに,来院されたため、腹部の該当する場所に強い緊張があった。
対応する膝周りのツボに鍼をした。下腹部に痛みもあったため、対応する足首周りのツボに鍼をした。腹部の緊張がとれ、性器の周りの痛だるさも,腹部の痛みも消失したので、治療を終了とした。
使用した主なツボ
曲泉、三陰交
まとめ
病院の検査で原因が分からないような生理時の性器周りの痛みは、生理で崩れた身体の緊張のバランスが関わっていることが多い。
はり治療であれば、ピンポイントで緊張のバランスを調整できるため、身体に負担をかけず施術することができる。
「どこに相談してよいかわからない」という方のお悩みをできるだけ減らしていきたい。
※結果には個人差があり、効果効能を保証するものではありません。
症例1 起き上がるのがつらいほどの生理痛
患者
女性 40代
来院
2018年 3月
症状と来院理由
朝起きる際、生理痛で起き上がるのがつらかった。
お子さんのお弁当を作らなければならなかったが、痛みで断念した。数日、便秘気味でお腹が張っている。40歳を過ぎてから、生理の周期が安定せず生理痛をはじめとする不調が強くなってきた。
「この状態が続くと家事が出来ず、家族に迷惑がかかるので、すぐに痛みを取り除いて欲しい」と考え来院した。
治療内容と経過
上腹部、中腹部、下腹部に特徴的な緊張が見られた。最も痛みの強い下腹部に対応するツボに鍼をしたところ、下腹部の痛みがとれた。
次に中腹部に対応するツボに鍼をしたところ、緊張がとれた。「お腹が動き出した感じがする」とのこと。
さらに上腹部に対応するツボに鍼をすると、「調子が良くなったのがわかる」とのことで、起き上がって頂くと腹部の痛みが消失していたため、治療を終了した。
この後、便秘も解消したとの連絡を受けた。
同時に治療した症状
便秘
使用した主なツボ
三陰交L、築賓L、曲池L
まとめ
生理痛と便秘によるお腹の張りが痛みを引き起こしていた。症状の原因となっている緊張に対応するツボにピンポイントで鍼をすると、短時間で改善に至るケースも少なくない。
※結果には個人差があり、