足首・足裏の症状(痛み・しびれ)
足首・足の裏治療の症例を一部載せております。
病院の治療で効果が出なかったものでも、改善した症例が多数あります。
症例紹介005:踵骨骨折後の足首まわりの慢性痛
60代女性のケース
主訴: 踵骨骨折後の慢性的な痛みと可動域の制限
通院期間: 2024年9月〜2025年4月(現在も継続)
通院回数: 計16回(週2回→月1回のメンテナンスへ移行)
初診時の状態
2022年夏、勤務中に階段から転倒し左踵骨を骨折。骨折は治癒したものの、左の踵から足首周囲にかけて痛みが残存し、朝晩の鎮痛薬とサポーターが欠かせない生活が続いていました。労災でのリハビリも終了間近となり、新たな選択肢として当院を受診されました。
施術と経過
初診
立ち上がり時の痛みと、足首を反らす(背屈)動作での痛みが顕著でした。
触診では頚椎3番の強い緊張がみられ、踵の痛みとの関連を疑い、仙骨周囲のツボに鍼を実施。施術直後に「軽くなった!」とご本人が驚かれるほどの変化がありました。
さらに、膝の外側の張りが足首の動きに影響していたため、すねの外側にあるツボにも鍼を追加。施術後は明らかに動作がスムーズに。サポーターの使用も必要最小限にとどめる方針をご提案しました。
継続施術(2〜4診目)
施術の中心は、仙骨・膝・足首周囲に加えて、重心移動に関与する肩甲骨内縁部の調整にも着手。
回を重ねるごとにサポーターなしでも生活が可能となり、立ち上がりやすさの改善が明らかになっていきました。
また、就寝時のこむら返りも頻発していましたが、鍼施術により改善。前脛骨筋や脹脛(ふくらはぎ)の緊張が和らいだ結果と考えられます。
5〜16診目
その後も筋肉の過緊張や体の歪みに応じてアプローチを変化。
仕事中に出た右股関節の痛みも併せて調整しながら、状態を安定させていきました。
11診目には「痛み止めの量が減った」「足のハリがない」との声をいただき、通院間隔をさらに拡大。
現在は「長時間歩くと多少痛むが、休めば回復する」という段階まで改善。治癒力が確実に戻ってきている証拠です。
使用したツボ
上髎L、足戸L、豊隆L
まとめ
この症例から分かるように、骨折後の痛みや不調は、単に「骨が治ったかどうか」だけでは判断できません。筋肉の緊張や関節の歪み、さらには首や肩、膝といった離れた部位の影響が、足首や踵の痛みを引き起こすこともあります。
それぞれの患者さんの体に丁寧に向き合い、全体のバランスを見ながら施術を重ねていくことで、薬やサポーターに頼らず過ごせる日常を取り戻すことができます。
長引く痛みや不安に、「もう良くならないかも」と感じることもあるかもしれません。
でも、体には本来、自らを整えようとする力があります。
あきらめる前に、その力を引き出すお手伝いをさせてください。
当院では、ひとりひとりの声に耳を傾けながら、丁寧な施術を心がけています。お気軽にご相談ください。
症例4 踵(カカト)の痛み
患者
40代 女性
来院
2018年 3月
症状
昨年秋頃から,左足のアキレス腱の下の辺りを押すと痛い。朝、階段降りるときが特に痛く、ゆっくりでしか降りれない。靴を履いていると平気だが、裸足だと痛い。歩くだけでは痛くない。「かかとの合わない硬い靴をはいていたことが原因ではないか」と本人は思考えている。
ネットで調べたところ、「踵骨後部滑液包炎」の症状ではないかと考えた。
気にしていたら骨も出てるような気がしてきた。「薬を飲ますに治したい」と考え、当院へ来院。
治療内容と経過
頚の緊張のバランスが崩れると,踵に負担がかかり痛みがでることがある。首のポイントに強い緊張があったため、対応する手の甲のツボに鍼をしたところ、段差を降りる痛みが消失した。
2診目で、痛みの箇所がやや外側に移動したため、首にあるツボを加えた。4診目で首周辺の緊張が消失した。かかとの痛みは、「最初と比べて6割減っている」とのこと。
背中のツボに鍼をしたところ、痛みが消失した。5診目で、「階段を降りるときに痛みを感じなくなった。」「日常生活で問題を感じない」とのことなので、治療を終了した。
同時に治療した症状
肩の痛み
使用した主なツボ
項強L C4(1)L T4(2)L T5(2)L
まとめ
踵(カカト)をはじめとする足の裏の痛みは、医学的に難治性とされるものが多く、病院や痛みを専門とする治療院でも解決しないことが多い。痛む箇所にマッサージや電気を流すなどの刺激を与えたり、鎮痛薬を処方しても解決しないのは、そこに原因がないからである。足裏に影響を及ぼす首や背中の緊張に注目し、解消すれば、短期間で回復することも少なくない。
【YT0010741】
※結果には個人差があり、
症例3 土踏まずの痛み
患者
40代 女性
来院
2016年 9月
症状
三ヶ月前、寝ているときに右足でテーブルを蹴ってしまい、それ以来、土踏まずが痛くなった。痛みを感じてはいたが、放置していた結果、痛みが増悪してきた。一ヶ月前からは、左の土踏まずも痛み始め、徐々に痛む部分が拡大し、左足は踵まで痛む。ここ数日、痛みが悪化してきた。「二日前、マッサージに行ったら余計痛くなった」とのこと。動きによる痛みの変化は感じない。
治療内容と経過
<一診目>
左足のふくらはぎを触診すると、内側に強い緊張がみられた。この強い緊張が、土踏まずの動きを制限し、痛みを引き起こしているものと判断した。ふくらはぎの動きを調整する腰部のツボに鍼をしたところ、ふくらはぎの緊張が解け、土踏まず〜踵の痛みも消失した。
<二診目>
前回の治療以来、左足の調子は良いが、右足の土踏まず〜踵にかけての痛みが気になる。右のふくらはぎを触診すると、内側に強い緊張があったため、関連する腰部のツボに鍼をしたところ、足の痛みが消失したため、治療を終了した。
同時に治療した症状
肩こり
使用した主なツボ
L3(1.5)LR
まとめ
症状が左右にある場合、左右に問題があるのか、あるいは、片方の症状が強いため、反対側にも影響が出ているのかを見極めるのが重要である。左の症状が緩和したからと行って、同時に右も治療すると、左の症状が戻ってきてしまう場合がある。左の治療に集中することで、右も良くなる場合も少なくない。
土踏まずの不調は、脚部の連動性の消失が原因である事が多い。腰部、ふくらはぎ、土踏まずの連動性を取り戻すことができれば、症状が緩和される可能性が高い。
モートン病、足底筋膜炎なども含め、難治と考えられる足裏の症状であっても、連動性の問題に注目することで、改善への道筋が見えてくる。
※結果には個人差があり、
症例2 足の裏の痛み(足底筋膜炎・モートン病)
患者
30代 女性
来院
2016年 10月
症状
三ヶ月ほど前に正座した状態から立とうとした際、足背がパキっとなった。放っておけば治ると思っていたが、その後、足裏、指の付け根付近の痛みが強くなってきた。痛みのため、現在は、正座ができない。朝起きて、床に脚をつくときが最も痛い。歩き出しの一歩目に強い痛みを感じる。歩いている内に気にならなくなったり、スニーカーで脚を包み込むと痛みが緩和する。
ネットで調べたところ、「足底筋膜炎か、モートン病が自分の症状に近い気がする。」とのこと。
元々通っていた、整体やカイロでは、脚を揉まれると痛くてたまらない上に、はっきりした効果を感じられなかった。カイロの先生に、このまま治らないようだったら整形外科に行った方が良いと提案されたが、整形に行っても、痛み止めの薬と湿布しか処方されないと考え、他に方法が無いかとネットで検索したところ、はり治療が足の裏の痛みに効果があることを知り、当院への来院を決めた。
治療内容と経過
痛む条件を見ると、ふくらはぎがうまく使えていないため、足裏に必要以上の負担が掛かり、痛みが発生していると推測された。ふくらはぎに鍼をすると、歩行したときの違和感が8割ほど消失した。さらに、ふくらはぎの緊張を抜く手技を加えた。足裏に負担をかける動作を自由にしてもらったところ、違和感が0になったとのことなので、治療を終了した。
同時に治療した症状
なし
使用した主なツボ
承山LR ふくらはぎの導引(活法)
まとめ
足底筋膜炎とモートン病は足裏の痛みの代表格である。難治な症状と言われているが、鍼で効果が出る場合も少なくない。痛む動きの特性をみると、ふくらはぎの動きに関連がある事が推測された。そのため、足の裏が痛むからといって、足裏を検査したり、施術をしても、原因をみつけられず、治療効果が出ない結果となる症例である。患部にとらわれず、ふくらはぎに着目できたことが、早期の回復につながった。
足裏への施術は痛みが強く、患者への負担が大きいが、離れたところから治療できる鍼治療は、足底症状への治療として、優位な特性を持っていると言える。足底症状の治療として、はり治療を第一に選んで頂けるように、症例をしっかりと積み重ねていきたい。
※結果には個人差があり、
症例1 足首の内反捻挫
患者
10代 女性
来院
2016年 8月
症状
3日前、学校の部活中に右足首をひねり、捻挫をした。安静にしていると痛みはそれほどでもないが、歩くと痛みで体重を乗せることが出来ない。2日前に整骨院に行って、患部に電気を流し、ジェルを塗り、テーピングを施されたが、痛みは変わらなかった。外くるぶしの前方あたりに、強い痛みを感じる。痛みを感じるところに腫れがあり、熱感もある。より早い回復を希望し、母親のすすめで当院へ来院。
治療内容と経過
典型的な足首の内反捻挫である。内反捻挫に対する治療はRICE(安静、冷やす、圧迫、心臓より高いところに置く)とされている。しかし、当院で採用する新しい鍼治療法である整動鍼の理論では、内反捻挫の痛みは、足をくじいたときの衝撃により、動きに歪みが生じたため痛みが発生していると考える。従って、動きを整えることで痛みを解消するのを目的とするため、テーピングが邪魔になる。
そのため、まず、ガチガチに固められたテーピングをとった。次に、足首の動きを調整するツボと、身体全体の炎症に効果がある手のツボに鍼をした。5分後、確認すると、足を動かしても痛みが出なかった。歩いてみてもらっても、痛みを感じなかったので治療を終了。一週間後、母親から、治療の翌日には部活に復帰し、今のところ問題ないと報告があった。
同時に治療した症状
なし
使用した主なツボ
捻挫点R 後谿R
まとめ
足首の捻挫は前距腓靭帯をはじめとする組織の損傷、それに伴う炎症が痛みの原因であると考えられている。しかし、整動鍼で動きを調整すると、痛みが解消し、炎症も治まっていく現象が起きる。このことから、足首捻挫の痛みの主な原因は、組織の損傷では無く、動きの歪みから来ているのではないかという仮説が生まれる。医学的には未解明であるが、臨床の経験上、この仮説は正しいと思われる。
炎症が痛みの原因ではないので、炎症に施術を加えるのは意味が無いどころか、炎症を悪化させてしまう可能性があるので避けるべきである。痛みの原因となる動きの歪みを引き起こす点は、痛む部分とは離れた部分にあることがほとんどである。そこを見つけ出し、ハリによる治療ができれば、通常2〜3週間かかる回復も、大幅に短縮できる。
※結果には個人差があり、
足首の捻挫治療については、こちらもご覧ください。
足首の捻挫と鍼治療(テーピング Vs 整動鍼) | ドアのノックはゆっくりと