肌のかゆみ
症例002 アトピー性皮膚炎の背中、腰のかゆみ、顔の赤み
患者
20代 女性
来院
2018年5月
症状と来院理由
幼少期からのアトピー性皮膚炎である。背中と腰のかゆみがつらい。顔も赤くなりやすい。お腹もすぐ調子が悪くなる。当院に通っている母のすすめで来院。
治療内容と経過
1診目、触診すると背中や腰の肌が乾燥している。腹部に強い緊張が3カ所あった。対応する下肢のツボにそれぞれ鍼をし、緊張がゆるんだ為、治療を終了とした。
2診目「お腹の調子が悪くなってもすぐ回復するようになった。」とのこと。腹部の緊張も緩んでいた。
同様の治療を週一回の間隔で行った。
4診目「背中や腰があまりかゆくなくなった。お腹の調子も以前は良い悪いの繰り返しだったが、最近はスッキリしている」とのこと。肌もしっとりと質感が変わった。顔の赤みも目立たなくなった。
夏に入り、暑い日が続き、かゆみが出た週もあったが、12診まで同様の治療を繰り返し、かゆみがほとんど消失し、腹部の緊張も緩み、胃腸も安定したため、治療を終了とした。
使用した主なツボ
上巨虚L、胞肓L、合谷L
まとめ
アトピー性皮膚炎は個人差が大きい。腹部の緊張による胃腸の不調が整うことによって、肌の乾燥、かゆみ、赤みが消失した良い例である。真夏だったので、途中で汗からのかゆみや、胃腸の不調も出たが、週一回の治療を続けたことで、胃腸の回復も早くなり,肌の安定につながったと考察する。若い女性だったため、顔の赤みが消失したことも非常に良い結果である。
※結果には個人差があり、効果効能を保証するものではありません。
【YT0010805】
症例001 かゆみ止めが効かない背中のかゆみ(アトピー性皮膚炎)
患者
女性 20代
来院
2018年 3月
症状と来院理由
皮膚のアレルギーがいくつかあり、皮膚科でアトピー性皮膚炎と診断され、定期的に通院していた。昨年の夏に汗をかいたあと肌が荒れ、かゆみが出た。皮膚科で薬を塗り、かゆみ止めを服用したところ、かゆみは治まった。昨年末から、同様の症状が発症。皮膚科に1ヶ月通院し、薬を服用したが改善されなかった。保湿をした瞬間はかゆみが治まるが、保湿剤が途切れる朝起きたときのかゆみが最も強い。昨年から便秘や下痢になりやすくなった。
治療内容と経過
皮膚症状はお腹の調子と関係している事が多い。腹部中央に緊張があったため、関連する足のツボに鍼をしたところ、緊張が緩和した。同様の治療を続け、2診目で便秘が解消し、3診目で背中のかゆみが半分以下となり、普段は気にならなくなった。次に、両脚の真横から裏にかけてのかゆみが気になるとの事なので、背中のツボを追加した。4診目で脚のかゆみが消失した。初診に比べ、背中の肌質がしっとりしてきた。かゆみは肩甲骨付近と腕に少し感じる程度になったとのことなので、治療を終了した。
使用した主なツボ
上巨虚L、三陰交L、L4(1)LR
まとめ
経験上、皮膚のかゆみと便秘には強い関連性があると考えている。はり治療はお腹の緊張を調整し、便秘や下痢を改善するのが得意だ。はり治療により、便秘を解消すると、皮膚の状態が改善する例は少なくない。皮膚症状の治療法の一つの選択肢として、鍼灸治療が広く認識されるように、結果を積み上げていきたい。