喉の違和感・つまり感の症例
【症例4】胸の圧迫感からはじまったヒステリー球
症状と来院まで
2ヶ月ほど前に体調を崩してから、胸のあたりにずっと圧迫感を感じるようになり、気分もふさぎ込みがちになっていたそうです。病院を受診したところ、「のどが少し腫れている程度」と言われ、漢方薬が処方されましたが、症状に大きな変化は見られませんでした。その後、カメラでのどの奥を詳しく診てもらっても異常は見つからず、不安が募っていったといいます。
その頃から、のどに何かが引っかかっているような異物感も出てきて、日常生活に大きな支障はないものの、常に不快感が続く状態が続いていました。「もしかしたらヒステリー球かも…」と感じ、ご自身でさまざまな情報を調べる中で、当院のことを知り来院されました。
来院者
性別:女性
年代:40代
通院期間・通院間隔・通院回数
通院期間:2ヶ月
通院間隔:週2回から2週に1回
通院回数:7回
施術と経過
お話を伺うと、強い首や肩のこりを自覚されていたため、まずはそこを中心に施術を行いました。特に、上を向いたときにのどの違和感が強くなることから、首の前側や鎖骨周辺の筋肉の緊張を丁寧に緩めるようにしました。
初回の施術後には、上を向いたときののどの違和感が軽くなり、「胸のあたりもふわっと緩んだ気がします」と感想をいただきました。
2回目には、「のどのつかえが取れたような感覚で過ごせました」と笑顔が見られ、少しずつ表情にも明るさが戻ってきました。
3回目には、食事をする気力も湧いてきて、日によって調子に波はあるものの、強い不快感に悩まされることはなくなってきました。
4回目以降は、違和感や圧迫感が出ても、セルフケアをすると翌日には気にならない状態が保てるようになり、7回目には治療の間隔を空けても良い状態が維持できるようになりました。現在は、セルフケアと休息をうまく取り入れながら、安定した日々を過ごされています。
使用した主なツボ(3つまで)
合谷、三陰交、胞肓
まとめ
この方の場合、胸の圧迫感が体を前かがみにし、のどの異物感につながっていたと考えられます。ストレスや不安の多い日常の中で、体が無意識に力んでしまい、その緊張が取れなくなっていたのです。鍼施術を通じて「体が緩む」という感覚を実感することで、徐々に力の抜き方がわかるようになっていきました。
ヒステリー球のようなのどの違和感は、病院では「異常なし」と言われたり、漢方薬だけで終わるケースも少なくありません。けれど、良くならないまま不安だけが残り、「どこに相談したらいいのか分からない」と悩んでしまう方も多いのです。
実は、こうしたのどの症状は、首や肩まわりの緊張と深く関係していることがあります。緊張が続くと、のどや胸のまわりの筋肉も固まり、症状として現れてしまうのです。
同じようなお悩みをお持ちの方には、ぜひ一度、鍼施術を試してみてほしいと思います。「緊張を手放す感覚」がわかるだけでも、体も心もぐっと楽になります。
【症例003】「喉が詰まる、、、」つらい経験の後にはじまった症状
症状と来院まで
3ヶ月前、仕事で強いストレスを感じた後から、喉に何かが詰まっているような違和感が続くようになった患者さん。息苦しさを感じ、「このまま呼吸が止まるのでは」と不安になることも。食欲はあるのに、喉につかえて食べることが怖くなる日々が続き、気分もふさぎがちになってしまいました。
メンタルクリニックを受診しても大きな変化が見られず、ご自身で調べた結果、「ヒステリー球(咽喉頭異常感症)」という言葉にたどり着き、当院にご相談くださいました。
来院者プロフィール
-
性別:女性
-
年代:20代
通院の概要
-
通院期間:2024年2月~12月
-
通院間隔:週2回→月1回へ
-
通院回数:24回
施術と経過
喉の異物感は鎖骨の間に集中しており、同時に首から肩にかけて強い緊張が見られました。まず腰に近い部分に鍼を打つことで、肩のこわばりが解け、首の動きがスムーズに。さらにお腹の張りにも注目し、首や肩の緊張との関連を考慮して、手や足のツボにも鍼を施しました。
初回の施術後には「喉の締めつけ感が少し緩んだ」との感想。2回目では肩のコリが軽減、3回目以降は「毎日あった異物感が軽くなり、出る頻度も減ってきた」と実感されました。
施術と並行してセルフケアの指導も行い、「肩こりが強いと症状が出る」という気付きが生まれ、自身の体の変化に敏感になっていかれました。通院ペースを徐々に空けながらも安定した状態を維持し、最終的には月1回の施術で安定。治療を終了しました。
使用した主なツボ
-
胞肓(ほうこう)
-
合谷(ごうこく)
-
地弓(ちきゅう)
まとめ 〜体の「緊張グセ」を手放していく〜
喉の違和感があると、無意識に肩をすくめ、体全体をこわばらせてしまう方が少なくありません。この「緊張のクセ」が異物感をさらに強めてしまう悪循環に。
まずは鍼で体のこわばりを丁寧にほぐし、「リラックスした体の状態」を実感していただくことからスタート。症状の出ない時間を少しずつ増やし、自分の体に起きている変化を感じ取れるようサポートしました。
その結果、患者さんは日常のセルフケアで自分の状態を整えられるようになり、不安や不快感に振り回されない日常を取り戻しました。
喉の詰まりや違和感が気になる方へ
ヒステリー球(咽喉頭異常感症)は、心や体のストレスと深く関係していることが多く、検査では異常が見つからないため、どうすればいいのか分からず悩まれている方も少なくありません。
当院では「体の緊張」に注目し、無理のないペースで改善をめざします。
同じようなお悩みがある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
【症例002】喉のつかえ、へばりつき、口内の乾燥感
60代女性のケース
主訴: 喉のつまり・口内のへばりつき・乾燥感
通院期間: 約8ヶ月(週2回 → 2週に1回へ移行)
通院回数: 計23回
初診時の状態
ご家族のご不幸やご病気が重なった4年前から、喉に何か詰まっているような違和感を感じ始めたという女性の方のご相談です。
病院では「異常なし」と言われたものの、症状は改善せず、ネットで調べた結果「鍼灸で良くなる可能性があるかも」と考え、当院に来院されました。
日常生活や仕事に支障が出るほどではないものの、常に感じる喉の不快感が気分的に重く、同時に「口の中が乾く」「へばりつく」といった感覚にもお悩みでした。
施術と経過
首から喉仏にかけての触診で、アゴ下から喉仏にかけて強い張りがあることを確認。
上を向いたときに違和感が強くなるため、初回は手にある喉関連のツボに鍼を行い、緊張を和らげる施術を実施しました。
直後に「さっきより楽」と、体感できる変化が見られました。
改善の経過
-
3回目: 週の前半は症状が出ない日もあり、夕方の疲れた時間帯に少し気になる程度まで軽減。
-
5回目: 唾液の量が増えてきた実感があり、口内のへばりつきも改善。
→ここまで週2回の施術 -
6回目以降: 通院を週1回に変更
-
回数を重ねるごとに: 喉の不快感を気にせず過ごせる時間が増加
-
通院終了時: 2週間に1回のペースで通い、症状がほぼ気にならなくなったため一旦終了
使用したツボ
合谷、上巨虚、地弓
まとめ
この方の場合、長期間のストレスや疲労によって体の緊張が抜けにくくなっていたことが、喉のつまり感や口内の不快感につながっていたと考えられます。
「力が抜けている感覚」を体で実感できるようになると、回復のスピードが一気に上がる傾向があります。
また、喉の違和感は必ずしも喉だけに原因があるとは限りません。
仕事でよく使う手や足の筋肉の緊張が、喉まわりの不調とつながっているケースも多く見受けられます。
生活環境の影響で負担が重なっている部分を見極め、全身を整えることで症状は徐々に改善していきます。
【症例1】喉のつまりと息苦しさ
1ヶ月以上続くストレスから、喉に何かが詰まったような感じと、息苦しさが続くようになり「常に気持ち悪い」と感じている症状のご相談でした。症状の強さにかかわらず、病院では原因不明とされ、医師の説明も乏しく、不安を感じてらっしゃいました。
症状 |
来院時の状態
|
来院者男性 30代 |
通院・期間:2020年4月〜2020年5月 ・通院回数:6回 ・通院間隔:週に1回 |
喉の違和感への治療と経過
東洋医学では梅核気と言われる症状です。病院ではこういった症状はヒステリー球・咽喉頭異常感症・咽喉神経症と呼ばれ精神的な問題が原因とされます。
【初診】
喉に触れてみると、こういった症状に特徴的な強張りがはっきりと出ていました。筋肉でいうと胸鎖乳突筋の部分です。ここを緩めるツボが手にあるので鍼をしました。
次に、喉の深いところ(輪状咽頭筋)の緊張を緩めるために、足のツボに鍼をしました。鍼をしてすぐ「喉の違和感がほとんどない」と感じていただけました。
【2回目】
「前回の施術後、毎日あった違和感が週に2回程度に減った」と報告していただきました。前回と同様の施術に加え、息苦しさを軽減するため、関連する腕のツボに鍼をしました。呼吸に深く関わる胸と背中の緊張の緩和が見られました。
【3〜6回目】
施術を繰り返すたびに、症状が出る頻度が減り、5回目までには日常的に「ほとんど気にならない状態」になりました。
まとめ
- 強いストレスから慢性化した喉の強張りが違和感を生み出していた。
- 関連する手と足のツボへの鍼で喉の緊張状態が緩和された。
- 症状が緩和することで精神的にも開放感が生まれた
- 精神的な問題とされても、鍼で体に変化を起こすことで回復に向かう事も多い
使ったツボ
喉の違和感・つまり感について詳しくは
関連記事
お問い合わせ
私たちにお任せください
長谷川 あやの(Ayano Hasegawa)
鍼灸師・一級認定鍼灸師
札幌出身
喉の違和感、ヒステリー球、慢性上咽頭炎、後鼻漏、胃腸症状、自律神経失調症などを得意としています。痛みや強い刺激が苦手な方にも「受けたい!」と思っていただけるように、優しい鍼でしっかりと効果を出していきたいと思っています。
滋野 美(Yoshimi Shigeno)
鍼灸師・一級認定鍼灸師
札幌出身
喉の違和感、ヒステリー球、慢性上咽頭炎、後鼻漏、婦人科疾患、自律神経失調症などを得意としています。青年海外協力隊での経験を活かして、皆さまが心も体も健康で毎日気持ちよくお仕事に向かえるようにお手伝いします。
嘉津山 詩恩(Sion Katsuyama)
鍼灸師・一級認定鍼灸師
南幌町出身
ヒステリー球、喉の違和感、難聴、腰痛、頭痛、めまい、耳鳴りなどを得意としています。わたし自身も、耳の不調やめまいで悩み、鍼灸で楽になった経験があります。経験を活かして、お悩みの方のお気持ちに寄りそいながら、全力でサポートさせていただきます。
谷地 一博 (Kazuhiro Yachi)
鍼灸師・医学修士・北斗病院鍼治療センター主任鍼灸師
札幌市出身
ヒステリー球、突発性難聴、耳鳴り、めまい、メニエール病、頭痛、偏頭痛などの症状も得意としています。他の医療機関で回復がみられなくても、一度ご相談ください。