【突発性難聴 症例19】風邪により発症した「耳のこもり」と「耳鳴り」
症例19 風邪がきっかけとなった突発性難聴・耳鳴
患者
女性 30代
来院
2018年 11月
通院
週2〜3回
通院回数
11回
症状
来院2週間前、風邪をひいて「めまい」「耳のつまり」を感じた。
2日後、耳鼻科にて突発性難聴と診断された。「プレドニン」「アデホスコーワ」が処方された。1週間服用したところ、聴力が少しだけ回復したが、「ギーン」という耳鳴りと、耳のこもった感じが残った。さらに1週間、薬の服用を続けたが、耳鳴りと耳のこもった感じが強くなってきた。
耳鼻科だけでの治療に不安を感じ、突発性難聴・耳鳴りについて調べたインターネットで当院を知り、来院へいたる。
治療と経過
風邪と同時期に発症していることから、鼻や喉の問題が突発性難聴・耳鳴りを引き起こしていると考えた。
触診をすると、首回りと背中に強い緊張があった。呼吸に関連する箇所であったため、この緊張が鼻や喉の問題を引き起こしていると考えた。関連する膝裏、肩甲骨のツボに鍼をしたところ、緊張が解消して「呼吸が楽になった」とのこと。
同様の施術を続けたところ、7診目で聴力検査の値が正常値に回復した。「ジリジリというセミの鳴き声のような耳鳴り」が残っているとのことだった。11診目で、「耳のつまりが無くなり、耳鳴りがほとんど気にならなくなった。」とのこと。その後、良い状態が2週間安定して続いたので、治療を終了とした。
使用した主なツボ
委中R 陰谷R ふくら3R
考察
風邪がきっかけとなって突発性難聴・耳鳴りが発症する例は多い。鼻や喉の炎症が、近くにある耳の問題へとつながっていると考えられる。耳の機能はダメージを受けると回復しづらい。風邪が治っても、難聴や耳鳴りの症状が残ってしまうことも少なくない。また、鼻炎や咳止めの薬の一部は、耳鳴りや難聴を引き起こす副作用がある。鍼治療は鼻や喉の症状にもアプローチ出来るため、上手く活用すれば、風邪由来の突発性難聴・耳鳴りを早期改善に繋げることが出来る。
【YT0010918】
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